No.4876 (2017年10月07日発行) P.10
迫井正深 (厚生労働省保険局医療課長)
登録日: 2017-10-06
最終更新日: 2017-10-26
中央社会保険医療協議会では次期診療報酬改定に向けた議論が本格化する。そこで今号から3回の短期連載として、改定のキーパーソンインタビューをお届けする。第1回は、中医協の事務局を担当する厚生労働省保険局医療課長の迫井正深氏に、今後の議論のポイントを聞いた。
かかりつけ医機能のあり方というのは医療の根幹とも言える大きなテーマ。もちろん改定の中でも議論していくが、長いスパンで考えていく必要がある。
かかりつけ医に対する社会からの期待は大きい。フリーアクセスは日本の医療制度が誇る長所ではあるが、フリーアクセスゆえに患者さんは悩むこともある。その悩みに寄り添うのがかかりつけ医の姿ではないか。しかしこれは診療報酬の枠を超えた本質論。英国のGPのような仕組みではない、社会が期待している機能をいかに関係者の理解を得ながら進めていくかが重要になる。これまで議論を積み重ねてきた大きな流れがあり、そこに水を差すべきではない。
地域包括診療料/加算がかかりつけ医機能と1対1対応というわけではない。かかりつけ医機能のあり方は多岐にわたるため、この点数を取ればよい、という類のものではない。報酬設定が先で現場の機能が後からというのは順序が逆ではないか。
主治医に求められる機能を地域包括診療料/加算は要件としているのであって、見直しはしながらも大切に育てていく必要がある。
“24時間対応”のあり方が挙げられる。医療機関や多職種のネットワークをどう活用するかがカギとなる。地域における医療情報の共有やICTを導入したコミュニケーションといった対応が有効とされており、「連携」をどう評価するかという視点がポイントではないか。複数の医師で夜間対応をしていく道も少しずつ整備する必要がある。
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