厚生労働省の「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」は18日、がんゲノム医療の中核拠点病院と連携病院の指定要件を盛り込んだ指針を大筋で取りまとめた。厚労省は近く公募を開始し、年度内にも指定する予定。
がんゲノム医療の提供にあたって厚労省は、臨床研究や治験の実施、新薬の研究開発、人材育成など、ゲノム医療を牽引する機能を持つ医療機関を中核拠点病院として指定する。その上で、全国どこにいてもがんゲノム医療を受けられる体制の構築を目指し、中核拠点病院と協力してゲノム医療を行う連携病院を設置する方針を掲げている。
指針では、中核拠点病院と連携病院は「がん診療連携拠点病院等または小児がん拠点病院」から選定するとしており、このうち中核拠点病院については、現在全国に11病院ある「臨床研究中核病院であることが望ましい」と明記。臨床研究中核病院でない場合は、それに準ずる体制整備が必要だとした。中核拠点病院の数について指針では、厚労省研究班の報告をもとに、「12施設程度が妥当」と指摘している。診療実績については、遺伝性腫瘍を含めた遺伝カウンセリングと遺伝学的検査を「申請時点より遡って年間10人程度実施」と盛り込まれた。
連携病院の指定要件は、遺伝カウンセリングと遺伝学的検査を「申請時点より遡って年間1件以上実施」とした。連携病院は、中核拠点病院に指名された上で申請する仕組み。連携病院の数について厚労省は、「1つの中核拠点病院に対し3連携病院で組むと40くらいになるのではないか」とみており、将来的には全都道府県への設置を目指すという。