日本医師会の鈴木邦彦常任理事は18日の会見で、『超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き』を公表した。
手引きは高齢者の薬物有害事象を防ぐための処方の考え方をA4版12頁でまとめている。構成は、①薬物有害事象と多剤併用、②多剤併用による薬物有害事象の発生リスクと基本対策、③特に慎重な投与を要する薬物、④服用の管理と支援―の4章立てで、日本老年医学会の協力により作成された。
このうち、③特に慎重な投与を要する薬物では、日本老年医学会の『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015』に掲載されている「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」を列記し、ガイドラインには記載されていない「代表的な商品名」も追記した。
鈴木氏は、「一律に5〜6剤の投与を問題視する人もいるが、実際には3剤で問題が起きることもあれば、10剤必要な場合もある。本質的には中身が重要」と指摘し、「かかりつけ医が患者さんの服薬管理をする際の参考資料にして活用してほしい」と期待した。
手引きは日医のホームページで閲覧できる(http://dl.med.or.jp/dl-med/chiiki/tebiki/H2909_shohou_tebiki.pdf)。