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「高濃度乳房」とは【マンモグラフィにおける「不均一高濃度」と「きわめて高濃度」乳房構成の状態】

No.4880 (2017年11月04日発行) P.59

土井卓子 (湘南記念病院乳がんセンター センター長)

角田博子 (聖路加国際病院放射線科乳房画像診断室長)

登録日: 2017-11-07

最終更新日: 2017-10-31

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  • わが国においては,乳癌にかかる人もそれによって死亡する人も増加しています。乳癌の死亡率減少には,マンモグラフィ検診が有用だとわかっており,検診を受けるよう一般女性に勧めています。しかしマンモグラフィでがんを発見しにくい「高濃度乳房」という状態があると聞きます。特に海外より日本人に多いと言われる「高濃度乳房」とはどのようなものか,どうやって判断するのか,「高濃度乳房」と指摘された人はどうすればよいのかを教えて下さい。
    聖路加国際病院・角田博子先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    土井卓子 湘南記念病院乳がんセンター センター長



    【回答】

    マンモグラフィにおいては,乳腺は白く,脂肪は黒く描出されます。乳腺実質が多い女性の場合,白い部分が多くなり,同じ白い軟部濃度として描出される腫瘤の検出率が低いことがわかっています。検出の程度を考慮し,乳房の構成を脂肪が多いほうから,「脂肪性」「乳腺散在」「不均一高濃度」「きわめて高濃度」の4つに分類しています。

    乳房構成の中の脂肪と乳腺組織の占める割合は連続的なものなので,「高濃度乳房」か「非高濃度乳房」かという理解より,判定するマンモグラムがどの乳房構成なのかという理解のほうが正しいのですが,より検出率の低い,「不均一高濃度」と「きわめて高濃度」を「高濃度乳房」と呼んでいます。そして,乳腺実質が多い場合,乳癌のリスクがわずかに高いことがわかっています。

    判定の方法は,視覚的に判定する定性的な方法と,3Dデータから算出する定量的な方法があります。定性的な方法は,判定する医師によりばらつきがあることが課題ですが,定量的方法の検証はまだ完全とは言えず,また高額な費用がかかることも問題です。

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