診療報酬調査専門組織の「入院医療等の調査・評価分科会」が2日に開催され、厚生労働省が一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」についてDPCデータを用いた分析結果を公表した。
医療機関ごとの該当患者割合についての分析結果は、現行の重症度、医療・看護必要度が28.8%、DPCデータに基づく判定(EFファイル判定)が24.8%となり、両者の乖離は4%だった。 結果について厚労省は、「一定の条件を設定した上で、活用できる可能性が示唆された」とまとめた。
相関が高かったのは、手術後の患者の状態を評価するC項目。「胸腔鏡・腹腔鏡手術」「救命等に係る内科的治療」「開腹手術」「開頭手術」「開胸手術」で強い相関が見られた。一方、患者に行われたモニタリング及び処置等を評価するA項目では乖離が大きい項目があった。
分析結果を巡り、石川広己委員(千葉県勤労者医療協会)は「4%の差は大きい」と指摘。18年度診療報酬改定での導入は「無理ではないか」との見方を示すなど、慎重論を唱える委員が相次いだ。
一方、牧野憲一委員(旭川赤十字病院)が乖離理由の分析の重要性には理解を示した上で、「看護師の判断に基づく重症度、医療・看護必要度はバラつきが出てしまう。客観的な評価基準が必要」と積極的に進めるべきと主張した。