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NPPVマスクと創傷被覆材の予防使用はセットなのか?[プラタナス]

No.4881 (2017年11月11日発行) P.1

小尾口邦彦 (市立大津市民病院救急診療科・集中治療部部長)

登録日: 2017-11-10

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  • COPD患者が急性増悪し来院した。NPPVを開始することとなりマスクが装着された。同時に創傷被覆材を顔に張り付ける業務があたかもセットであるかのように行われた。この業務について考えてみたい。

    医療行為に関連する褥瘡をMDRPU(medical device related pressure ulcer)と近年呼ぶ。例えばフットポンプが当たる足の甲に骨の突出があるときMDRPUを発症しやすく、接触部分に表面がツルツルであるフィルムドレッシングを貼ることが推奨される。褥瘡の発生に、圧×ずれ×時間が関係するので摩擦抵抗を減らし、ずれの軽減をめざす。
    NPPVによる顔面のMDRPUの発生は、NPPV続行を困難とするだけでなく患者や医療者の心理的ダメージが強い。NPPV運転よりMDRPU予防に最大の関心が払われていると感じる。接触部分に創傷被覆材(デュオアクティブ®など)を予防的に貼ることが「標準業務」という施設は多いのではないだろうか?

    筆者施設の皮膚・排泄ケア認定看護師の口癖は「褥瘡部位に軟らかいものを詰めこむ医療者が多いけど間違い。圧が高いところに軟らかいものであっても詰めこむと、さらに圧を高める」である。同様に、「NPPVマスクの接触部分は軟らかく滑りやすいシリコン素材であるのに何故さらに創傷被覆材を使用するのだろう?」という疑問が筆者にはあった。

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