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「同時マイナス改定」を建議、診療科偏在解消も求める【財政制度等審議会】

No.4885 (2017年12月09日発行) P.15

登録日: 2017-11-30

最終更新日: 2017-12-07

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財政制度等審議会(財務相の諮問機関、会長=榊原定征東レ相談役)は11月29日、2018年度予算編成に向け、診療報酬・介護報酬の「同時マイナス改定」を求める建議(意見書)を取りまとめ、麻生太郎財務相に提出した。今後、両報酬の改定率を巡る折衝は大詰めを迎え、12月下旬に決着する見通しだ。

建議では、過去10年の国民医療費が平均2.5%のペースで伸びており、うち高齢化等による増加が年率1.2%であると指摘。その上で、2年に1度の診療報酬改定では、医療費の伸びが高齢化等の範囲に収まるよう、全体で「1回当たり2%半ば以上のマイナスが必要」としている。診療報酬本体についても、賃金・物価と比べて高い水準で推移していることを根拠に、引下げを要求した。

また、診療所損益率が高い傾向にある皮膚科や眼科の医師数が増加している一方で、外科や産婦人科などの医師数が減少しているとして、現行の診療報酬の配分では「診療科偏在を助長しかねない」と強調。さらに、全国一律の診療報酬単価の調整では、医療ニーズの変化による医療機関の経営課題の解決や地域医療構想の実現が困難であるとし、地域医療介護総合確保基金(用語解説)による支援を通じて、病床機能転換やダウンサイジングで対応すべきとした。

介護報酬については、介護職員の処遇改善を目的とした2017年度臨時改定で、引上げが「先行実施」されたとの見方を示した上で、診療報酬同様、国民負担抑制の観点から「一定程度のマイナス改定とすることが適当」としている。

【地域医療介護総合確保基金】:医療介護総合確保推進法に基づき、消費税増収分財源を活用して各都道府県に設置された財政支援制度。国が3分の2、都道府県が3分の1を負担。病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進、医療・介護従事者の確保等に関する事業が交付対象となる。

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