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「主治医2人制」の独り言[炉辺閑話]

No.4889 (2018年01月06日発行) P.37

德橋泰明 (日本大学医学部附属板橋病院病院長)

登録日: 2018-01-03

最終更新日: 2017-12-21

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「主治医2人制」、私どもの病院のホームページにはこの言葉はありませんでした。ところが、「なぜ当院のホームページにないのか?」と地域の連携医や事務方よりしきりに攻められて、ついに病院のホームページに載せました。「私どもの病院でも行われています」というわけです。

主治医は、担当患者さんを責任もって診療する医師のことです。「主治医2人制」の意味は、1人の患者さんにかかりつけ医の主治医と病院の主治医の2人が協力して診療にあたることです。実際は入院すると複数の医師、グループで診療にあたりますが、特に外科系では手術があるため、グループ制が必ず必要になります。執刀医が主担当医の場合もあり、外来担当医の場合も指導医の場合もあります。よほどのことがない限り、インフォームド・コンセントした医師が執刀していることがほとんどです。

複数の医師が関与して患者さんやかかりつけ医の皆様には戸惑いを与えることも少なくないかと存じますが、手術のインフォームド・コンセントはそれほど重い、と認識してきました。この常識がいつから通用しなくなったのか、と不安にもなりました。

私が病院で研修を始めた30数年前から「主治医2人制」は当然なことで、グループの先輩医師たちが紹介先の先生にはこまめに連絡をとりながら、常に患者さんとかかりつけ医に配慮して診療していました。そして、先輩たちからもそうすべきことも指導されてきました。このような「主治医2人制」は、おそらく病院が開院したときから既に行われてきたのではないでしょうか。よく先輩からは「紹介してもらうことは医療機関や患者さんから信頼されている証拠であり、信頼を裏切らないように」と指導されてきました。そして「現在も完璧にそれは継続されています」と言いたいのですが、現実にはそれが不十分であり、そのため「主治医2人制」を明確に見える形にしなければならない、ということなのでしょう。

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