厚生労働省は21日、2016年度の保険医療機関等の指導・監査等の実施状況を公表した。保険医療機関等の指定取消処分(取消相当含む)は27件(対前年度比10件減)で、うち医科は8件(同2件減)。指定取消処分は12年度から減少傾向が続いている。
医科で取消処分を受けたのは、時計台内科クリニック(北海道)、石塚医院(東京)、床鍋診療所(東京)、伊藤医院(愛知)、大里内科(大阪)、八上外科・胃腸科(大阪)、日山クリニック(兵庫)、田﨑医院(長崎)。
適時調査の件数は計3363件(同801件増)と大幅に増加した。その一方、適時調査の返還金額は約43億6000万円で前年度から約32億7000万円減少。これは、全体の返還金額約89億円(同約35億4000万円減)の減少分の大半を占めた。厚労省担当官は、適時調査の件数増加について「今回から調査の手法や項目を見直し、効率的な調査が可能になった」と説明。返還金額の減少については、「複数回適時調査を受けた医療機関等が増えてきていることなどから、施設基準の要件の理解が進んでいるのではないか」と分析している。