日本医師会の横倉義武会長は9日の年頭会見で、医療にかかる控除対象外消費税について、今年末に策定される2019年度与党税制改正大綱が「大変重要な意味を持つ」と述べ、「ここで問題を解決しなければならない」との認識を強調した。
昨年12月に自民・公明両党が策定した2018年度税制改正大綱では、消費税問題の税制上の抜本解決に向けて「総合的に検討し、結論を得る」時期が「19年度税制改正」と記載され、「消費税率が10%に引き上げられるまで」としていた17年度大綱より明確になった。日医は抜本解決の手法として、現行の非課税制度を前提に、診療報酬に上乗せしたとされている仕入税額相当額を上回る仕入消費税を医療機関が負担した場合に超過額の還付を認める措置の創設を求めている。
これを踏まえ横倉氏は、年内にも消費税問題の決着が図られることに期待を表明。非課税還付方式の導入に向け、病院団体や日本歯科医師会、日本薬剤師会と意見調整を進め、関係省庁に働き掛けるとした。
2018年度大綱では、診療所を含む個人事業者を対象とした事業承継にかかる税制上の措置の導入は見送られた。これについて今村定臣常任理事は「個人開設の診療所は中小企業に比べて(相続税、贈与税の)負担が非常に重い。開設者の平均年齢が60代後半という地域もあり、承継税制の検討は喫緊の課題だ」と述べ、引き続き関係省庁に実現を求めていく方針を示した。