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C型肝炎におけるHBV再活性化の頻度【147例中5例(3.4%)で,いずれの症例もHBV DNAは自然消失したとの報告がある】

No.4892 (2018年01月27日発行) P.52

阪森亮太郎 (大阪大学消化器内科学内講師)

竹原徹郎 (大阪大学消化器内科教授)

登録日: 2018-01-24

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direct-acting antivirals(DAA)の登場によりHCVは高率に排除されるようになったが,HBVとHCVの共感染例において,HCV排除に伴うHBVの再活性化の報告が相次いだ。HBV再活性化は抗癌剤や免疫抑制薬使用中に認められ,HBVに対する免疫反応の抑制が関与しているのではないか,と推測されている。しかし,DAAにはそのような免疫抑制作用はなく,HBVに対するHCVの干渉作用がDAAにより排除されることでHBVの再活性化が引き起こされた可能性が考えられる。そのため,HCV治療においてDAAによるHBV再活性化は重要な問題と考えられるが,その頻度やリスク因子については明らかではなかった。

Doiらの報告1)によると,DAAを導入したC型慢性肝疾患患者461例の治療前のHBs抗原,HBs抗体,HBc抗体,HBV DNAを測定し,HBV DNAが陰性でありHBc抗体が陽性であった147例の治療開始後4週,12週時点のHBV DNAを測定したところ,5例においてHBV DNAが検出され,HBV再活性化の頻度は3.4%であった。いずれの症例においてもALT上昇は認めず,HBV DNAは無治療で自然消失した。このHBV再活性化のリスク因子としては,DAA導入時のHBs抗体価が低値であることとALT高値であることが示された。このようにDAA治療中のHBV再活性化は一定の確率で認められる。本報告において肝炎は認められなかったが,劇症肝炎を発症した報告もあるため,HBV既往感染例を含め,注意を要すると考えられる。

【文献】

1) Doi A, et al:Hepatol Res. 2017;47(13):1438-44.

【解説】

阪森亮太郎*1,竹原徹郎*2  *1大阪大学消化器内科学内講師 *2同教授

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