1970年にThe Beatlesが発表した22枚目のシングル曲。活動中最後のシングル盤で同年公開の同名映画のテーマ曲。アルバム「Let It Be」に収録されている
中学~高校にかけてバンド少年だった私の思い出の曲は「Let It Be」である。ピアノソロ演奏の後に流れてくるポール・マッカートニーの透き通った甘い声が心に染み渡る感覚が今でも残っている。柄にもなく(分不相応でもあるが)、私もポールのようにどうしても弾き語りがしてみたくなり、ピアノで音大に通っていた姉に無理を言ってこの曲を教えてもらったことを今でもはっきりと覚えている。どれくらいで習得したかは全く覚えていないが、音楽室で弾き語りをしていたら、合唱コンクールのピアノ伴奏に抜擢(?)されそうになったこともあった。
医師となり、医師を育てて、医局を運営する立場となった今では、“Let It Be”という歌詞が心に染み渡る。“Let It Be”、まさに“words of wisdom”である。我々大学人はついつい結果を追い求める種族である。「与えられたところでベストを尽くせ。そうすれば自ずと結果はついてくる。諦めるな、怖がるな」と若者を指導しているのだが、何となく肩に力が入ってしまっている。“Let It Be”の心境になれていないのである。
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