第2次世界大戦から70年以上が経過し、戦時中のことを語って下さる患者は本当に少なくなったと実感します。何気ない患者との会話の中で“人生観”や“死生観”を通して見えるのは戦争体験だったりします。
症例1は87歳男性(上写真)。終戦のわずか5日前(14歳時)に、東京都板橋区でB29の爆撃機による焼夷弾の爆撃があり、爆風で飛ばされたというエピソードを持った患者です。胸腹部の皮下には爆風の際に飛び散った飛散物の破片が70年以上たった現在も無数の石灰化陰影として認められます。
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