中央社会保険医療協議会総会は7日、塩野義製薬のインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」(一般名:バロキサビル マルボキシル)について、14日付で薬価収載することを了承した。算定薬価は、10mg錠が1507.50円、20mg錠が2394.50円。20mg錠の1日薬価は4789.00円となる。インフルエンザの流行シーズン中であることなどを考慮した緊急収載となる。
同薬は、既存のノイラミニダーゼ阻害薬とは異なり、ウイルスのmRNAの合成を阻害することで増殖を抑える「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬」という新作用機序を持つ。A型またはB型インフルエンザウイルス感染症を効能・効果とし、1回のみの経口投与で治療が完結する。革新的新薬を迅速審査する「先駆け審査指定制度」の対象品目で、昨年10月の申請から4カ月後の2月に薬事承認を受けている。
薬価については、吸入粉末剤「イナビル」(ラニナミビル)を最類似薬として類似薬効比較方式で算定。「タミフル」(オセルタミビル)を比較対照とした臨床試験で有意なウイルス排出期間の短縮が認められたことから「有用性加算(Ⅱ)」として5%、さらに「先駆け審査指定制度加算」として10%が上乗せされた。