日本のAcid Jazzバンド、Escalators(エスカレーターズ:1993-2000年)の1stフル・アルバム「PLANET e」の中の1曲(CD:日本コロムビア、1994年発売)
今でもこの曲を耳にするとドキドキします。これが日本人のバンドの曲?と心底驚いた、その時の気持ちが甦ってくるのです。私が日本医科大学に入学したのが1993年ですから、軽音楽部でドラムに夢中になっていた同時代、Escalatorsは活動していました。
FunkyでPopなJazzとしか表現できないと思いましたが、これがAcid JazzというジャンルであることをEscalatorsから知ったのです。当時から大好きだったIncognito、Brand New Heavies、そしてJamiroquaiが1980年代にイギリスから産まれたAcid Jazzムーブメントの流れにあるということを知りました。自分の好きな音楽がAcid Jazzというキーワードで繋がった瞬間でした。
今思えば当時は医師を目指しながら、これから自分の人生はどうなっていくのだろうと夢と不安の中、勉強に部活に恋愛に打ち込んだ青春時代でありました。今でもこの曲を聴くと、その時のなんというか心地よい懐かしい気持ちが目の前に甦ります。
2000年、VocalのZoocoが脱退してEscalatorsは解散しました。その喪失感たるや相当なもので、何か大切なものを失ってしまった気がしたものです。2000年と言えば形成外科の教室に入局して2年目でしたので、これまた悩みながら将来の不安を感じながら昼夜を問わず仕事に打ち込んだ時期であり、「Escalators解散」は余計に感傷的に感じられたものです。
今聞いても全く色あせない川西浩之の最高にFunkyでGroovyなBass、堀越昭宏のPopでTechnicalなKeyboard、三宅一彰のSoulfulなGuitar、そしてとにかくCoolなZoocoのVocal、本当に魅力的なバンドでした。YouTubeには今も当時のプロモーションビデオやライブ映像がいくつかアップロードされていますので、時々見入ってしまい仕事の手が止まってしまいます。