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【終末期医療ガイドライン改訂】高齢多死社会とACPを反映

No.4900 (2018年03月24日発行) P.12

登録日: 2018-03-22

最終更新日: 2018-03-22

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厚生労働省は14日、11年ぶりの改訂となる「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(終末期医療ガイドライン)と解説編を公表した。医療・ケアチームと患者が繰り返し話し合うことの重要性を強調している。

同ガイドラインは2006年に富山県射水市における人工呼吸器取り外し事件が報道されたことを契機として、07年に策定された。15年には「終末期医療」を「人生の最終段階における医療」に名称変更したが、内容の改訂は初めて。

今回の改訂は、高齢多死社会の進展に伴い地域包括ケアの構築に対応する必要があることや、英国や米国を中心としてACP(アドバンス・ケア・プランニング:人生の最終段階の医療・ケアについて、本人が家族等や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセス)の概念を踏まえた研究・取り組みが普及してきていることを踏まえ、行われた。

具体的には、①本人の意思は変化しうるものであり、医療・ケアの方針についての話し合いは繰り返すことが重要であることを強調、②本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、その場合に本人の意思を推定しうる者となる家族等の信頼できる者も含めて、事前に繰り返し話し合っておくことが重要、③病院だけでなく介護施設・在宅の現場も想定したガイドラインとなるよう配慮―の3つが柱となっている。話し合った内容は、そのつど文書にまとめておくことも強調した。

ガイドラインで用いている「家族等」の意味については、今後、単身世帯が増えることを想定し、法的な意味での親族関係のみではなく、親しい友人や、複数人存在することも考えられるとした。

■法的側面は検討課題

ガイドラインは人生の最終段階における医療・ケアの原則として「医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ、それに基づいて医療・ケアを受ける本人が多専門職種の医療・介護従事者から構成される医療・ ケアチームと十分な話し合いを行い、本人による意思決定を基本としたうえで進めることが最も重要」と指摘。

医療・ケアチームの構成については、「担当の医師と看護師およびそれ以外の医療・介護従事者というのが基本形」としつつ、ソーシャルワーカーなど社会的な側面に配慮する人の参加も想定されるとした。

医療・ケア行為の中止等に関する刑事責任や医療従事者間の法的責任のあり方などの法的側面については「ガイドライン策定以降、このような側面から大きく報道されるような事態は生じていない」と明記した上で、今後の検討課題に位置づけた。


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