□単関節か多関節か,炎症性か非炎症性か,の2つの軸で考える。
□見逃したくない疾患として,まず急性感染性関節炎,骨髄炎,外傷を想起する。次に,頻度の高い痛風・偽痛風などを考える。
□好発年齢と性別:関節痛は性別や年齢で好発疾患が異なる。中高年男性や高齢女性であれば痛風・偽痛風発作,若年から青壮年の性的活動の活発な女性では淋病,比較的若い主婦層であればパルボウイルス感染症などを想起する。
□初発か否か:関節炎は繰り返すことがある。これまで同様の痛みがあるか,何と診断されたかは大いに参考になる。
□痛みの性状:痛みに対するOPQRSTを把握する(表1)。
□既往歴・併存疾患:外傷の有無,発熱の有無,移動性かどうかも聴取すべきである。ROS(review of systems),家族歴なども診断の上で参考になる。
□糖尿病,慢性腎不全,関節リウマチ,結晶性関節炎,変形性関節症,最近の手術や関節注射などについても聴取する。
□乱用薬物やHIV感染の有無は急性単関節炎の危険因子の1つであり,忘れずに聴取する。
□意識レベルや血圧,脈拍,呼吸数,体温といったバイタルサインから,出血性ショックや敗血症性ショックの有無を評価する。
□視診:単関節か多関節か,また腫脹,変形,発赤があるかをみる。
□単関節痛では変形性関節炎,外傷,痛風,偽痛風などの頻度が高く,多関節痛では関節リウマチをはじめとした類似疾患が多く,鑑別に注意を要する。
□疼痛や腫脹・発赤のある単関節炎では,必ず化膿性関節炎の可能性について評価する。
□触診:関節水腫がみられるか,熱感はあるか,圧痛点はどこか,自発痛の有無を確認する。線維筋痛症の圧痛点(18箇所)もチェックし,関節可動域の評価をする。
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