□嗄声は症状や症候名であって病名ではない。声帯の病変によって通常の発声ができず,声がかれたり声がかすれたりする音声障害状態のことを示す。
□したがって,治療上最も留意すべきは気道の確保であり,これを怠ると致命的になる。経過や症状の進行が急速なものもあり,介入のタイミングも重要である。
□音声の高さ,大きさ,音色のどの変化かを聴取する。症状出現からの経過と他の併存症状の確認もポイントである。
□上気道炎症状が先行し嗄声が出現したのか,咽頭痛を伴うのか,鼻汁,鼻閉があるのか,体温の異常はいつから出現したのか,嚥下痛の有無,嚥下障害の有無も聴取する。特に唾液の嚥下も困難で,口角から流涎するときは上気道の閉塞が逼迫している症状と考える。
□大きな異常を伴うことは少ないが,体温の測定は必須である。
□前頸部の圧痛,頸部リンパ節の腫脹や圧痛,甲状腺の腫脹や圧痛も観察する。口腔内ではう歯の状態,歯肉の腫脹や歯肉からの膿汁分泌の有無,扁桃や後咽頭の発赤や腫脹,白苔の付着の有無も観察する。
□顔面では,麻痺の有無,鼻唇溝の左右差,瞳孔径の左右差,発汗の有無,片側性にも注意する。
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