□非特異性間質性肺炎(nonspecific interstitial pneumonia:NSIP),特発性器質化肺炎(crypto-genic organizing pneumonia:COP)はいずれも原因不明の間質性肺炎の一種であり,ステロイドが効果を示す疾患である。
□2つの疾患は異なるもので,画像所見,病理組織像もそれぞれ異なるが,両者が混在する例も報告されている。両者ともに膠原病に合併することがある点に注意が必要である。
□急性~亜急性の経過が典型的であり,65歳以下の比較的若年者に起きる間質性肺炎である。労作時の息切れ,咳などで発症する。
□膠原病の合併を否定するため,関節症状,レイノー現象,皮疹,筋肉痛などがないか注意する。
□特に皮膚筋炎に注意して手指の観察を行う。
□自己抗体の検索を十分に行う。
□KL-6,SP-Dといったマーカーのチェック。
□画像所見:両側下肺野背側末梢優位のすりガラス影で,典型例では気管支血管束に沿った扇形の広がりを示す。牽引性気管支拡張も伴う。
□呼吸機能:肺活量,全肺気量,肺拡散能の低下を示す。
□確定診断には胸腔鏡下肺生検を行い,病理学的にNSIPの像を確認する。
□気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage:BAL)ではリンパ球比率の上昇(30~60%),CD4/8の低下。
□急性~亜急性の経過で発症し,平均年齢は50歳代で男女差なく,非喫煙者に多い。
□症状としては咳,発熱,倦怠感,疲労感,息切れ,体重減少などがみられる。
□膠原病を示唆する所見(特に関節リウマチ)の確認や薬剤使用歴に注意する。
□赤沈・CRPといった炎症反応の亢進。
□血清KL-6は上昇しないことが多い。
□BAL液ではリンパ球比率の増加とCD4/8比の低下が認められる。
□画像所見:一側または両側性の末梢性の浸潤影を呈し,陰影が移動していくこともある。reversed halo signが約20%に認められる。
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