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気腫合併肺線維症で聴かれたウィーズとクラックル[聴いて覚える肺聴診ギャラリー(25)]

No.5246 (2024年11月09日発行) P.6

長坂行雄 (洛和会音羽病院/洛和会京都呼吸器センター参与)

登録日: 2024-11-11

最終更新日: 2024-11-06

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症例 息切れの悪化を主訴とした80歳代男性

膀胱癌,前立腺癌で治療中です。2年前の胸部X線とCTで気腫合併肺線維症(CPFE)と診断されました。長時間作用性抗コリン薬(LAMA)/長時間作用性β2刺激薬(LABA)を吸入し,SpO2は室内気で93~94%を維持していました。1カ月前から発熱や喀痰増加を伴わない息切れ,呼吸困難があり,外来でもSpO2 81%と低酸素血症を認めました。血液検査ではKL-6の著明な上昇および炎症反応上昇がありました。

図1は入院時の胸部X線で,図2のCTでは両肺野の透過性低下があり,右上葉背側の囊胞壁の軽度肥厚とわずかに液貯留,その周囲に少し浸潤影を認めました。右肺の囊胞感染および細菌性肺炎を疑い,間質性肺炎の増悪にて同日入院となりました。

検査所見では,KL-6は入院3カ月前(安定時)の817U/mLから2040U/mLに上昇し,LDとCRP,WBCも数値が上昇していました(表1)。

【既往歴】 関節リウマチ,ビタミンB1欠乏,膀胱癌,前立腺癌,CPFE。

【内服薬】 プレドニン錠1mg錠1回3錠(朝夕食後),スピオルトレスピマット60吸入,メプチンエアー10μg吸入。

【喫煙歴】 20~70歳ぐらいまで1日1~2箱。

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