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特発性間質性肺炎(IIPs)・特発性肺線維症(IPF)[私の治療]

No.5253 (2024年12月28日発行) P.42

須田隆文 (浜松医科大学内科学第二講座(内分泌・呼吸・肝臓内科学分野)教授)

登録日: 2024-12-26

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  • 特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)は,特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias:IIPs)のひとつであり,IIPsの中では最も頻度が高い疾患である。IPFは慢性かつ進行性の経過をたどり,呼吸不全に至る予後不良の疾患である(5年生存率:35~50%)。IPF患者は,乾性咳嗽や労作時呼吸困難を訴え,肺機能では拘束性換気障害を呈し,画像上,蜂巣肺形成を認める。基本的には慢性の臨床経過を示すが,時に重篤な病態である急性増悪をきたす。

    ▶診断のポイント

    乾性咳嗽,労作時呼吸困難などの症状で発症し,肺底部背側でfine cracklesを聴取する。胸部高分解能CT(high resolution CT:HRCT)上,下肺胸膜下優位の網状影や,牽引性気管支拡張,蜂巣肺を呈する。血液検査ではKL-6やSP-D(surfactant protein-D)などの間質性肺炎の血清マーカーが高値となることが多い。肺機能検査では拘束性換気障害や拡散能低下を示す。

    鑑別診断としては,IIPsの中の他疾患〔非特異性間質性肺炎(NSIP)など〕,膠原病性間質性肺炎,線維性過敏性肺炎,薬剤性間質性肺炎,塵肺等が挙げられる。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    IPFは慢性に緩徐に進行する疾患であるが,時に急速に呼吸状態が悪化する急性増悪を呈する。急性増悪はIPFの死因としても最も多い。IPFの治療は慢性期と急性増悪とで異なることから,本稿では別々に解説する。

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