□膠原病に合併する呼吸器疾患は,頻度が高くまた病態も多彩である。膠原病に関連する呼吸器疾患や薬剤性肺障害,免疫抑制治療による肺感染症などを常に鑑別疾患に挙げて診療を行うべきである。
□代表的な膠原病関連呼吸器疾患とその症状,また合併が多い膠原病を表1に示す。
□乾性咳嗽,呼吸困難,発熱を生じる。
□メトトレキサート,レフルノミド,ブシラミン,金製剤などで多い。
□発熱,咳嗽,膿性痰に注意する。
□細菌性では急性,結核や真菌では慢性の経過を示す。ニューモシスチス肺炎やサイトメガロウイルス肺炎では呼吸困難が強い。
□各膠原病と注意すべきその全身症状について,表2に記した。
□CRP上昇:ただし,RA,血管炎症候群など,PM/DM,SSc,SLEなどでは原疾患の活動性亢進に伴うCRP上昇は少ない。
□抗核抗体:SLE,SSc,MCTDなど
□補体低下:SLE,血管炎症候群
□リウマチ因子,抗CCP抗体(RA):抗細胞質抗体,抗Jo-1抗体を含む抗aminoacyltransferase(ARS)抗体(PM/DM)
□抗melanoma differentiation-associated protein 5(MDA5)抗体:amyopathic DM(保険適用外)
□抗Scl-70抗体:SSc
□抗DNA抗体,抗Sm抗体:SLE
□抗RNP抗体:MCTD
□MPO-ANCA:MPA
□胸部単純X線で肺疾患の診断,高分解能CTで間質性肺疾患のパターン分類を行う。
□胸部単純X線,高分解能CT(HRCT),喀痰一般細菌,抗酸菌塗抹,培養,各種PCR,血中β-D─グルカン(ニューモシスチス肺炎),血中サイトメガロウイルス抗原,沈降抗体(サイトメガロウイルス肺炎),気管支鏡検査(呼吸不全が重度であれば行わない)。
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