□肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hy-pertension:PAH)は,労作時の息切れを主訴とすることが多い。
□その病態は,肺細小動脈のリモデリングによる前毛細血管性肺高血圧症であり,特発性,遺伝性,薬剤,疾患(膠原病,先天性心疾患,門脈圧亢進症,ほか)に伴うものなどがある。
□厚生労働省の指定難病に認定されており,特定疾患医療受給者証を交付されている患者数は2946名(2014年度)である。
□症状は,息切れ,倦怠感,胸痛,めまいなど非特異的である。
□第Ⅱ音肺動脈成分の亢進,三尖弁逆流による全収縮期雑音が聴取され,進行すると右心不全兆候(頸静脈怒張,肝腫大,浮腫)が認められる。
□血液検査では,BNP(brain natriuretic peptide),尿酸の上昇を認める1)。
□胸部X線像で,心拡大,肺動脈拡大,末梢肺血管陰影の狭小化,心電図で右軸偏位,肺性p,右室肥大,心エコー検査で,右心拡大,推定肺動脈圧の上昇を認める。
□確定診断のための検査として,①右心カテーテル検査で安静時肺動脈平均圧25mmHg以上かつ肺血管抵抗で3 Wood Unit以上,肺動脈楔入圧(左心房圧)は正常(15mmHg以下),②肺血流シンチグラムにて区域性血流欠損がないこと,が必要となる。
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