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肺動脈性肺高血圧症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-11
田邉信宏 (千葉大学大学院医学研究院先端肺高血圧症医療学寄附講座特任教授)
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  • ■疾患メモ

    肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hy-pertension:PAH)は,労作時の息切れを主訴とすることが多い。

    その病態は,肺細小動脈のリモデリングによる前毛細血管性肺高血圧症であり,特発性,遺伝性,薬剤,疾患(膠原病,先天性心疾患,門脈圧亢進症,ほか)に伴うものなどがある。

    厚生労働省の指定難病に認定されており,特定疾患医療受給者証を交付されている患者数は2946名(2014年度)である。

    ■代表的症状・検査所見1)

    【症状】

    症状は,息切れ,倦怠感,胸痛,めまいなど非特異的である。

    第Ⅱ音肺動脈成分の亢進,三尖弁逆流による全収縮期雑音が聴取され,進行すると右心不全兆候(頸静脈怒張,肝腫大,浮腫)が認められる。

    【検査所見】

    血液検査では,BNP(brain natriuretic peptide),尿酸の上昇を認める1)

    胸部X線像で,心拡大,肺動脈拡大,末梢肺血管陰影の狭小化,心電図で右軸偏位,肺性p,右室肥大,心エコー検査で,右心拡大,推定肺動脈圧の上昇を認める。

    確定診断のための検査として,①右心カテーテル検査で安静時肺動脈平均圧25mmHg以上かつ肺血管抵抗で3 Wood Unit以上,肺動脈楔入圧(左心房圧)は正常(15mmHg以下),②肺血流シンチグラムにて区域性血流欠損がないこと,が必要となる。

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