□リンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis:LAM)は,若年女性に起こる稀少肺疾患であり,指定難病である。人口100万人に5人の有病率である。
□癌抑制遺伝子TSC1かTSC2のどちらかの変異を起こした平滑筋様のLAM細胞が肺および体幹リンパ組織で増殖し,肺では組織が破壊され,進行性の嚢胞性病変を呈する。
□LAMは大別して,常染色体優性の結節性硬化症に合併し,TSC1(1)あるいはTSC2(2)(あるいは両方)の変異により起こるTSC-LAMと,TSC2の体細胞突然変異による孤発性LAMがある。
□労作時息切れ,気胸,血痰などが主な症状である。
□本症の10~20%で乳び胸水,乳び腹水が貯留し,それによる呼吸困難や腹満がみられる。
□肺の高分解能CT画像は診断に非常に有用で,境界明瞭な薄壁を有する嚢胞(径数mm~1cm大が多い)が両肺野にびまん性に散在する像が特徴的である。
□肺1秒量が年に46.7mL,努力性肺活量が20.0mL減少する。
□血清VEGF-D(vascular endothelial growth factor-D)濃度が高値となる。
□乳び胸腹水中にLAM細胞クラスターを認める。
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