株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

非小細胞肺癌(ドライバー遺伝子陽性)[私の治療]

No.5275 (2025年05月31日発行) P.39

大坪孝平 (九州大学大学院医学研究院呼吸器内科学分野)

岡本 勇 (九州大学大学院医学研究院呼吸器内科学分野教授)

登録日: 2025-06-03

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 非小細胞肺癌は肺癌の80~85%を占め,腺癌,扁平上皮癌,大細胞癌の順に頻度が高い。このうち,治療標的となるドライバー遺伝子(EGFR/ALK/ROS1/BRAF/MET/RET/NTRK/KRAS/HER2)の異常は,主に肺腺癌において検出される。日本人の肺腺癌患者の約50%にEGFR遺伝子変異が検出され,その他の治療標的となるドライバー遺伝子は1~5%ほどの頻度で検出される。現在,ドライバー遺伝子を標的とした様々な薬剤が使用でき,いずれの薬剤においても高い治療効果が報告されている。

    ▶診断のポイント

    ドライバー遺伝子の有無により治療方針が大きく異なるため,手術療法および放射線治療が適応とならない症例に対しては,腫瘍検体を用いたドライバー遺伝子検査を必ず行う。治療標的となりうるドライバー遺伝子は多数あるため,1回の測定で網羅的な遺伝子検査を行うことができる「オンコマインDx Target TestマルチCDxシステム」または「AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネル」へ提出することが望ましい。そのためには,診断のための生検時にできるだけ大きな腫瘍組織を採取し,適切な条件下でホルマリン固定からパラフィン包埋ブロック作製までの処理を行う。

    残り1,673文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    公立小浜温泉病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・整形外科 各1名
    勤務地: 長崎県雲仙市

    公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
    現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
    2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
    6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

    当病院は島原半島の二次救急医療体制の救急告示病院として救急患者を受け入れています。
    又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。

    ●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
    今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問診療、訪問看護、訪問介護体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top