膠原病肺とは,膠原病に伴う肺疾患の総称で,間質性肺疾患(interstitial lung disease:ILD)を中心に気道病変,胸膜病変,など多彩な病態を含む。ILDでは,画像あるいは組織パターン分類が治療反応性や予後の類推に有用である。本稿では予後規定因子として重要なILDの治療につき概説する1)。
ILDは,臨床経過と,高分解能CT(high-resolution computed tomography:HRCT)・組織所見を中心に, 通常型間質性肺炎(usual interstitial pneumonia:UIP),非特異性間質性肺炎(nonspecific interstitial pneumonia:NSIP),器質化肺炎,びまん性肺胞傷害パターンなどに分類される。鑑別疾患として,感染症や薬剤性肺障害は特に重要である。
①原疾患である膠原病とその活動性を判断し,②肺病変が原疾患に伴う病態か否か(感染症や薬剤性肺障害など),③肺病変が進行性か否か,④進行性の場合,a. 炎症主体の病態か,b. 線維化主体の病態か,c. 両者の混合病態かを判断し,治療方針を立てる。
進行性の判断には,(1)自覚症状,(2)呼吸機能,(3)画像所見,の悪化で判断する。特に,努力性肺活量(FVC)の相対的な10%以上の悪化,予測値で5%以上の悪化は有用な判断基準である。
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