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薬剤性腎障害

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-19
菊田知宏 (武蔵野徳洲会病院腎臓内科部長)
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  • ■疾患メモ

    薬剤が原因で起こる腎機能障害。

    臨床所見として腎不全,蛋白尿,またはその両者を呈するもの,障害部位として糸球体,尿細管間質など,薬剤による腎障害は原因薬物の違いによりその表現型が多岐にわたる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】1)2)

    急性腎障害(急性尿細管壊死,急性間質性腎炎,浸透圧性ネフローゼ)。

    糸球体障害(血尿,蛋白尿)。

    腎臓結石症(結晶尿,腎臓結石症,超音波での結石所見)。

    尿細管障害〔尿細管性アシドーシス,ファンコーニ症候群,抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone:SIADH),尿崩症,リン酸塩の喪失〕。

    【検査所見】

    検査所見も原因薬剤,障害部位などの違いで多岐にわたる。

    急性腎障害としての定義:

    ・48時間以内にSCr値が≧0.3mg/dL上昇した場合

    ・SCr値がそれ以前7日以内にわかっていたか予想される基礎値より≧1.5倍の増加があった場合

    ・尿量が6時間にわたって<0.5mL/kg/時に減少した場合

    上記のほか,尿沈渣異常(顆粒円柱,WBC円柱,好酸球尿など),尿蛋白陽性,尿潜血陽性,尿中N-acetyl-β-D-glucosaminidase(NAG)上昇,尿中β2-MG(microglo-bulin)上昇,α1-MG上昇,尿糖陽性など。

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