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非ホジキンリンパ腫

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-16
鈴宮淳司 (島根大学医学部附属病院腫瘍センター長,腫瘍・血液内科教授)
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  • ■疾患メモ

    悪性リンパ腫(malignant lymphoma:ML)は白血病を含むリンパ球系腫瘍の総称で,非ホジキンリンパ腫(non Hodgkin lymphoma:NHL)はMLの5~7%を占めるホジキンリンパ腫以外のMLである。

    MLの罹患率は増加傾向にあり,日本では19.4人/10万人(2011年粗罹患率),男女比3:2,発症年齢のピークは65~74歳である。

    NHLはB細胞リンパ腫(B-ML)とT/NK細胞リンパ腫(T/NK-ML)にわけられ,40種類以上の病型を含み,また細胞の分化段階により前駆型と成熟型にわけられる。

    病型分類はWHO分類が,予後予測や治療選択には悪性度分類が用いられる。

    悪性度分類は,腫瘍細胞の増殖速度により低悪性度(indolent,年単位),中悪性度(aggressive,月単位),高悪性度(highly aggressive,週単位)にわける()。

    09_19_非ホジキンリンパ腫

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    リンパ節が腫脹するが,半数はリンパ節外腫瘤を呈する。

    リンパ節腫脹は,ホジキンリンパ腫と異なり非連続性に生じ,無痛性,弾性硬で,固形癌の転移のように石様に硬くない。

    肝臓や脾臓の腫大,皮膚病変がみられることもある。

    B症状と呼ばれる全身症状(発熱,寝汗,体重減少)を伴うことがある。

    免疫力の低下をきたすことがあり,様々な病原菌による感染症を合併する危険がある。

    自己免疫性溶血性貧血が免疫血管芽球性T細胞リンパ腫(angioimmunoblastic T-cell lymphoma:AITL)や慢性リンパ性白血病などに合併することがある。

    【検査所見】

    LDH高値,可溶性インターロイキン(IL-2)レセプター(sIL-2R)高値を示すことが多い。

    AITLではアレルギーの既往や多クローン性高ガンマグロブリン血症などがみられる。

    病型診断は腫瘍組織の病理診断で実施するが,フローサイトメトリー・免疫染色による免疫形質の検査,染色体検査,遺伝子検査が必須である。

    病期診断はAnn Arbor分類が用いられ,病変が1領域の場合にⅠ期,2領域に病変を認めるが横隔膜の上下いずれかの場合にⅡ期,横隔膜にまたがって2領域以上の病変を認める場合をⅢ期,節外臓器にびまん性・播種性に病変を認める場合をⅣ期とし,B症状があればBとして付記する。

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