□副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone:ACTH)産生下垂体腺腫からACTHが過剰分泌され,副腎皮質コルチゾールの慢性的過剰分泌により,特異的なクッシング(Cushing)徴候が引き起こされる。
□中年女性に多く,男女比は1:4程度である。下垂体以外に発生した腫瘍からACTHが過剰産生される異所性ACTH症候群との鑑別が必要になることがある。
□高コルチゾール血症を是正しなければ,心血管疾患,脳血管疾患,重症感染症,骨折などの合併症のため,致死的となる。
□非特異的臨床症候として,高血圧症,月経異常,痤瘡(にきび),多毛,浮腫,耐糖能異常,骨粗鬆症,色素沈着,精神異常がみられる。
□特異的症候として,満月様顔貌,中心性肥満または水牛様脂肪沈着,赤紫色皮膚線条,皮膚の菲薄化および皮下溢血,近位筋萎縮による筋力低下,小児における成長遅延がある。
□血中ACTHとコルチゾール(同時測定)が高値~正常を示す。
□尿中遊離コルチゾールが高値~正常を示す。
□スクリーニング検査:一晩少量デキサメタゾン抑制試験にて翌朝のコルチゾールが抑制されない。下垂体MRI画像検査で下垂体腫瘍を認める。
□確定診断検査:血中コルチゾール日内変動,CRH試験,下錐体静脈洞血サンプリング(MRIで下垂体腫瘍を認めない場合)を行う。重要参考所見として,一晩大量デキサメタゾン抑制試験にて翌朝のコルチゾールが前値の半分以下に抑制される。
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