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急性副腎皮質機能不全(副腎クリーゼ)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-19
一色政志 (埼玉医科大学内分泌・糖尿病内科准教授)
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  • ■疾患メモ

    急性副腎不全(副腎クリーゼ)は,急激なグルココルチコイドの絶対的または相対的欠乏によって生じ,放置すると致命的である。

    原因は,①慢性副腎不全患者に感染・外傷などのストレスが加わりステロイド需要が増加した場合,②ステロイド薬投与中の患者が不適切に中止・減量した場合,が多い。

    グルココルチコイド欠乏のほか,ミネラルコルチコイド欠乏による循環動態障害なども病態に影響しうる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    脱水,血圧低下,ショック。

    消化器症状(食欲不振,嘔気,嘔吐,腹痛)。

    精神症状(倦怠感,無気力感)。

    意識障害(混乱状態,昏睡)。

    そのほか(発熱,関節痛,呼吸困難,チアノーゼ,脱力)。

    【検査所見】

    血清コルチゾールまたはスポット尿中コルチゾール/gCrが相対的低値。

    血漿ACTH高値(副腎原発性),または低値(続発性)。

    血算で好酸球増加,正球性貧血。

    低ナトリウム血症および高カリウム血症。

    低血糖。

    迅速ACTH負荷試験でコルチゾールの上昇が不十分。

    腹部CTで萎縮・出血・梗塞など。

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