□回帰性リウマチ(palindromic rheumatism:PR)は発作性の関節炎(関節の腫脹,発赤,疼痛)を繰り返す疾患である1)。
□20~50歳代で発症することが多く,男女差は少ない。
□原因は不明であるが,一部にはHLA-DR1やHLA-DR4といった遺伝子の関与も示唆されている。関節炎発作は通常数時間~数日持続するが,発作の間欠期には症状は完全に消失する。
□発作の頻度は年に数回~10数回というのが一般的で,発作の間隔は一定していない。診断にはGonzalez-Lopezらの診断基準(案)が参考になる(表)2)。
□基本的には,骨破壊はみられず予後は良好であるが,30%前後の患者では関節リウマチへ(rheumatoid arthritis:RA)の進展がみられるので注意が必要である。発作時には非ステロイド性抗炎症薬が有効であることが多い。
□発作性・再発性の関節炎である。ほとんどすべての関節が障害されるが,脊椎や顎関節では稀である。罹患関節は発作ごとに異なることが多い。
□特異的な所見はなく,発作時にはCRPや血沈(erythrocyte sedimentation rate:ESR)などの炎症反応が上昇する。
□半数前後の患者でリウマトイド因子(rheumatoid factor:RF)や抗CCP(cyclic citrullinated peptide)抗体が陽性となる。
□血清反応陽性例では関節リウマチへの進展が多いことが報告されている3)。
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