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免疫チェックポイント阻害薬(ICI)使用中の関節リウマチ患者の治療は?

No.5241 (2024年10月05日発行) P.46

久保智史 (産業医科大学医学部分子標的治療内科学講座准教授)

峯村信嘉 (三井記念病院総合内科科長)

登録日: 2024-10-07

最終更新日: 2024-10-01

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  • 担がん関節リウマチ患者における免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitors:ICI)使用の是非,使用する場合の注意点,またICI使用中の関節リウマチの治療法(生物学的製剤含む)や免疫関連有害事象(immune-related adverse events:irAE)の発症リスクについて,三井記念病院・峯村信嘉先生にご解説をお願いします。

    【質問者】
    久保智史 産業医科大学医学部分子標的治療内科学講座准教授


    【回答】

    【リウマチ合併はICIを避ける理由とはならないが, 免疫毒性に注意する】

    従来,関節リウマチを含む自己免疫疾患合併がん患者は,ICIの臨床試験から除外されてきた背景があります。その理由として,①ICI治療によって自己免疫疾患の悪化をまねく恐れ,②自己免疫疾患を有していること自体がirAEのリスク因子である可能性,および③自己免疫疾患の治療薬がICIの効果を損なう恐れがあること,の3点が挙げられます。

    実臨床では,リウマチを含む様々な自己免疫疾患合併がん患者におけるICI治療成績が集積しており,総じてリウマチ自体はICI治療を回避すべき理由とはならないとされています。ICI治療開始前には,ステロイドは可能な限り減量〔目標:プレドニゾロン(PSL)<10mg/日〕をめざします。ICI開始時点での10mg以上のPSLは,ICIの抗腫瘍効果を損ねる可能性が示唆されています1)。メトトレキサートなどの従来型抗リウマチ薬は,継続を図ります。それらの薬剤がICIの効果を損ねないことがirAE関節炎治療における知見で示されているためですが2),ICI開始後の免疫毒性を予防する目的でそれらの抗リウマチ薬を事前に増量することは勧奨されません。生物学的製剤については原則中止,中でもアバタセプト(オレンシア®)はICIの効果と拮抗するため使用を避けます3)

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