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好酸球性筋膜炎[私の治療]

No.5259 (2025年02月08日発行) P.47

梅澤夏佳 (東京科学大学病院膠原病・リウマチ内科学講師)

登録日: 2025-02-08

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  • 四肢の筋膜を主座として線維化をきたす稀な炎症性疾患で,20~60歳代を中心に発症する。男女差はほぼない。病因は不明だが,血液疾患や自己免疫疾患を合併することがある。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    亜急性経過で四肢に有痛性の発赤を伴う浮腫を生じ,経過とともに皮膚硬化と関節の運動制限を生じる。典型的には前腕や下腿など四肢に対称性に出現するが,片側例や体幹に出現する例もある。全身性強皮症と異なり,手関節や足関節以遠の手指や顔面は侵されない。30~40%程度の症例では,発症の1~2週前に激しい運動や外傷等の病歴がある。筋膜での炎症や線維化を反映して,表皮ではorange peel-like appearanceと呼ばれる特徴的な皺の形成や,表在静脈に沿って皮膚が陥凹するgroove signを認める。

    【検査】

    血液検査では一過性の末梢血好酸球増多やIgG高値,赤沈の亢進,アルドラーゼ高値を認める。MRIでは筋膜の浮腫を認める。診断においては,皮膚から筋膜までを一塊として採取するen bloc生検が推奨される。病理組織では,筋膜や深部の皮下組織にリンパ球,好酸球,形質細胞,組織球など多彩な浸潤を認め,慢性例では線維化を伴う。好酸球浸潤は約6割で認められるが,診断に必須でない。

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