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食物アレルギー[私の治療]

No.5279 (2025年06月28日発行) P.47

佐藤さくら (国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部部長)

登録日: 2025-06-28

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  • 食物アレルギーは「食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象」を言う。特異的IgE抗体が関与するIgE依存性反応によるものが多いが,特異的IgE抗体の関与が証明されない非IgE依存性反応によるものもある。発症機序や臨床的な特徴の異なる複数の臨床病型〔食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎,即時型症状,食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis:FDEIA),口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome:OAS),消化管アレルギー等〕が存在する。

    ▶診断のポイント

    特定の食物により症状が誘発されること,および特異的IgE抗体など免疫学的機序を介する可能性があることにより診断が確定する。特異的IgE抗体検査陽性や皮膚プリックテスト(skin prick test:SPT)陽性と食物アレルギー症状が出現することは必ずしも一致しないため,これらの検査のみで診断は確定しない。原因が特定できない場合には食物経口負荷試験(oral food challenge:OFC)を行い,診断を確定する。FDEIAでは運動誘発試験を実施し,診断を確定することもある。

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