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フェルティ症候群

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
杉山英二 (広島大学病院リウマチ・膠原病科教授)
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  • ■疾患メモ

    フェルティ症候群(Felty's syndrome)は白血球減少症と脾腫を併発した関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の1亜型であり,白血球減少に伴う難治性感染症を繰り返すと予後は悪い。

    欧米ではRA患者の1%前後に発症すると報告されているが,わが国では稀であり,本症候群の疫学統計に関する報告はない。中・高齢者に発症する。

    本症候群の原因は不明であるが,HLA-DR4の陽性率が85%前後であり,遺伝的な背景が示唆されている。

    抗顆粒球抗体や抗G-CSF(granulocyte-colony stimulating factor)抗体が検出され,自己免疫機序が本症の発症・進展に関連している。

    ■代表的症状・検査所見1)2)

    【症状】

    通常,発症後10年以上の関節変形を伴ったRAに発症する。

    リウマチ結節,リンパ節腫脹,胸膜炎,心膜炎,皮膚潰瘍,多発性単神経炎など関節外症状を合併することが多い。

    脾腫の程度は様々であるが,症例の90%に脾臓を触知しうる。

    高度の白血球減少が続くと,呼吸器や皮膚に難治性感染症を繰り返す。

    【検査所見】

    好中球数は通常2000/μL以下に減少する。

    リウマトイド因子,抗CCP(cyclic citrullinated peptide)抗体は高値で,血清補体価は低下を認める。

    抗顆粒球抗体や抗G-CSF抗体が検出される。

    末梢血に大型顆粒リンパ球(large granular lymphocyte:LGL)の増加を認める場合は,LGL白血病との鑑別を要する。

    骨髄検査では,成熟障害を伴う顆粒球系細胞の過形成を認める。

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