□抗核抗体および抗U1-RNP抗体陽性で,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE),多発性筋炎/皮膚筋炎(polymyositis/dermatomyositis:PM/DM)と強皮症(systemic scleroderma:SSc)のうち2つ以上の疾患の特徴を併せ持ち,女性に圧倒的に多い(1:13~16)疾患である。
□複数の膠原病が重複する重複症候群と比して治療反応性と予後が良好であり,肺高血圧症の合併率が高いなどの疾患特異性から,独立した疾患と考えられている。
□レイノー現象:最も頻度が高い症状でほぼ全例にみられるが,ほかの膠原病でも観察されるため,特異的でない。
□手指,手背の浮腫:90%前後でみられ,特異性が高い。
□息切れ,乾性咳嗽:肺障害は最も生命予後に影響する臓器障害であり,間質性肺疾患,肺高血圧症に注意すべきである。初発症状としては少なく,経過中出現することが多い。
□SLE/SSc/PM/DM混合所見:関節炎を呈することが多く,PM・DM様所見として筋力低下が多いが,筋痛や高度の筋力低下は稀であり,SSc様所見として手指皮膚硬化,腸管機能障害,嚥下困難を呈することが多い。SLEで高頻度にみられる腎障害が少ないが,無菌性髄膜炎,三叉神経障害がしばしばみられる。
□抗U1-RNP抗体陽性:疾患特異性が高く,診断には必須である。
□膠原病混合所見:SLE/SSc所見として白血球減少が多くみられ,PM・DM所見としては筋症状がみられなくともクレアチニンキナーゼ値や筋電図異常を呈する。
□肺高血圧症:最も重要な生命予後規定因子である。肺血管陰影の増大,右心負荷に伴う左右第二弓の突出,心電図と心臓超音波検査で右心負荷所見を認める。
□肺線維症や肺血栓塞栓症による二次性肺高血圧症の可能性も考え,肺機能検査,胸部CT検査,肺換気血流シンチグラフフィーを行い,確定診断は右心カテーテルにて行う。胸部症状がなくとも定期的な心臓超音波検査と,必要に応じた右心カテーテル検査が重要となる。
□間質性肺炎:胸部X線検査,胸部CTで診断し,肺機能検査,動脈血ガス分析血液検査,KL-6,SP-Dの推移を指標とする。
□関節炎:レイノー現象についで多くみられ,約30%で骨びらんを生じるが,自己抗体陽性率は関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)と比べて低い(RF 50~70%,抗CCP抗体50%)。
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