□サルコイドーシス(サ症)は原因不明の全身性肉芽腫性疾患であり,自然寛解する例も多いが,時に難治化する難病でもある。
□肉芽腫消退後の線維化,細小血管炎による多臓器障害,小径線維神経障害による非特異的な全身症状などがみられる。
□近年,若年発症のピークが減り高齢化しているが,女性では依然として2つのピークが存在する。
□罹患臓器ごとの症状と全身性の症状とがある。
□呼吸器系では咳,労作時息切れ,胸部圧迫感などがある。
□眼では霧視,羞明,飛蚊症,充血,視力低下などがある。
□心臓では不整脈,めまい,動悸,失神,心不全症状(夜間,体動時の呼吸困難)がある。
□神経系では,顔面神経麻痺などの末梢神経障害,髄膜脳炎型の中枢神経系障害(頭痛,嘔気・嘔吐),筋病変では不症候性の腫瘤,筋力低下などがある。
□全身症状としては,発熱,強い疲労感,全身倦怠感,体重減少,全身の痛みなどがみられることがある。
□胸部X線写真にて両側肺門リンパ節腫脹(bilateral hilar lymphadenopathy:BHL)が多くの例でみられる。
□BHLに肺野病変が加わる例や,BHLを欠き肺野病変のみの例もある。
□肺病変のない眼病変や心病変などのみのサ症も存在する。
□血液所見としては血清ACE値上昇,血清ガンマグロブリン値上昇,血清リゾチーム値上昇,高カルシウム血症などがみられる。
□ツベルクリン反応が陰性である例が多い。
□気管支肺胞洗浄を行うと,液中の総細胞数増加,リンパ球数増加,CD4/8比の上昇がみられる。
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