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サルコイドーシス

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-13
杉山幸比古 (練馬光が丘病院呼吸器内科常勤顧問/自治医科大学名誉教授)
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  • ■疾患メモ

    サルコイドーシス(サ症)は原因不明の全身性肉芽腫性疾患であり,自然寛解する例も多いが,時に難治化する難病でもある。

    肉芽腫消退後の線維化,細小血管炎による多臓器障害,小径線維神経障害による非特異的な全身症状などがみられる。

    近年,若年発症のピークが減り高齢化しているが,女性では依然として2つのピークが存在する。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    罹患臓器ごとの症状と全身性の症状とがある。

    呼吸器系では咳,労作時息切れ,胸部圧迫感などがある。

    眼では霧視,羞明,飛蚊症,充血,視力低下などがある。

    心臓では不整脈,めまい,動悸,失神,心不全症状(夜間,体動時の呼吸困難)がある。

    神経系では,顔面神経麻痺などの末梢神経障害,髄膜脳炎型の中枢神経系障害(頭痛,嘔気・嘔吐),筋病変では不症候性の腫瘤,筋力低下などがある。

    全身症状としては,発熱,強い疲労感,全身倦怠感,体重減少,全身の痛みなどがみられることがある。

    【検査所見】

    胸部X線写真にて両側肺門リンパ節腫脹(bilateral hilar lymphadenopathy:BHL)が多くの例でみられる。

    BHLに肺野病変が加わる例や,BHLを欠き肺野病変のみの例もある。

    肺病変のない眼病変や心病変などのみのサ症も存在する。

    血液所見としては血清ACE値上昇,血清ガンマグロブリン値上昇,血清リゾチーム値上昇,高カルシウム血症などがみられる。

    ツベルクリン反応が陰性である例が多い。

    気管支肺胞洗浄を行うと,液中の総細胞数増加,リンパ球数増加,CD4/8比の上昇がみられる。

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