□血清反応陰性脊椎関節症(seronegative spondyloarthropathy:SNSA)の代表的疾患。
□男性が女性の3~5倍多い。白色人種,韓国人,中国人と比較して日本人の発症は稀(韓国人・中国人に比べHLA-B27を持つ人が少ないためと考えられる)で,若年で発症し,40歳代で沈静化する。
□仙腸関節に初発し,腰椎から上行拡大する椎間関節炎と,脊柱靱帯付着部炎(enthesitis)である。椎間関節は狭小化,骨硬化を経て強直する。椎体は隅角の骨硬化,椎体前面の陥凹消失により椎体の方形化(squaring)が起こる。最終的には椎体間の骨癒合が胸椎,腰椎,そして頸椎にまで及び,竹節様脊柱(bamboo spine)を呈す。
□初期は背部の疼痛と朝方のこわばりがある。運動,特に前屈動作によって軽減する。
□罹病期間が長くなると,脊柱の可動性は消失し,腰椎前弯減少,胸椎後弯増強し,全後弯タイプの脊柱後弯変形を呈し,持続性の腰痛,前方注視不能,そして長時間歩行は腰痛で不可能となる。
□特に頸椎に強直が進展すると,前を見て歩行ができず,また仰臥位にもなれない。
□HLA-B27が90%に陽性で,血沈も高値を示すが,リウマトイド因子(RF)は陰性である。
□X線所見は以下のようである。
①両側仙腸関節のびらん→硬化像→関節裂隙狭小化→強直
②前縦靱帯椎体付着部からの骨化→靱帯骨棘形成(syndesmophyte)
③椎体の方形化(squaring)
④竹節様脊柱(bamboo spine)
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