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骨粗鬆症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-21
大野久美子 (東京大学医科学研究所附属病院関節外科)
田中 栄 (東京大学医学部附属病院整形外科・脊椎外科教授)
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  • ■疾患メモ

    骨粗鬆症は低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし,骨の脆弱性が増大し,骨折の危険性が増大する疾患と定義される。

    骨粗鬆症は骨折をきたし,身体機能低下の原因となる。骨粗鬆症の治療の目的は骨折を予防し,身体機能を維持することにある。

    患者数は1280万人(男性300万人,女性980万人)と推計される1)

    骨粗鬆症は原発性と続発性があり,ここでは原発性骨粗鬆症を中心に解説する。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    骨粗鬆症による骨折は,わずかな外力で生じ,脆弱性骨折と呼ばれる。椎体,大腿骨近位部,下腿骨,橈骨遠位端,上腕骨近位部,肋骨などの部位で生じやすい。

    椎体骨折が多発すると脊柱後弯が強くなり,胃食道逆流現象や呼吸機能障害などの各臓器障害をきたすことがある。

    【検査所見】

    「原発性骨粗鬆症の診断基準2012年版」によると,低骨量をきたす骨粗鬆症以外の疾患や続発性骨粗鬆症の原因を認めないことを前提とし,以下の診断基準を適用する。

    〈脆弱性骨折あり〉

    ①椎体骨折または大腿骨近位部骨折あり

    ②その他の脆弱性骨折(肋骨,恥骨,坐骨,仙骨,上腕骨近位部,橈骨遠位端,下腿骨)あり,骨密度(原則として腰椎または大腿骨近位部)が若年成人比較(young adult mean:YAM)80%未満

    〈脆弱性骨折なし〉

    骨密度がYAM 70%以下または-2.5SD以下

    *:軽微な外力(立った姿勢からの転倒かそれ以下の外力)によって発生した非外傷性骨折。

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