□わが国での罹患数は年々増加し,2015年将来予測で男性がん罹患率1位と推定される。
□血清PSAが診断に有効であるが,治療法は病期によって異なる。
□初期は無症状のことが多いが,前立腺肥大症を契機に発見されることもある。
□癌の進行に伴い,肉眼的血尿,排尿障害,水腎症,腎不全に陥る。骨転移やリンパ節転移によって疼痛をきたすことも少なくない。
□血清PSA(正常4.0ng/mL以下)によりスクリーニングを行い,異常値であれば精査に進む。
□経直腸的超音波検査(TRUS)により前立腺癌は低エコー域として描出されるが,判然としないことも多い。超音波下経直腸的(または経会陰的)前立腺針生検により病理組織学的診断を行う。前立腺針生検はTRUSガイド下に10~12箇所の系統的ランダム生検が標準的であるが,MRIなどで癌病変が明らかな場合はターゲット生検の適応にもなる。
□腹側または尖部付近に微小癌病変が疑われた場合につき,テンプレート生検を行う。
□直腸診(DRE)により硬結を触知するなどの所見を認める症例は半数以下とされる。
□DRE,TRUS,PSAだけで局所の程度(T分類)を評価することは困難であり,MRIが有用である。リンパ節転移の有無を評価するにはCTならびにMRIを施行する。
□前立腺癌の転移好発部位は骨であり,骨シンチグラムを行うことは不可欠である。表にTNM分類を記す。
1190疾患を網羅した最新版
1252専門家による 私の治療 2021-22年度版 好評発売中
PDF版(本体7,000円+税)の詳細・ご購入は
➡コチラより