□顎変形症や強度の不正咬合は遺伝的ないし先天性異常を伴うもの,上下顎成長の不調和,咬合や歯列以上の増悪によって引き起こされる形態的変化である。さらに口腔機能の不調和が上下顎骨形態や咬合状態に与える影響は大きく,片側咀嚼による側方咬合平面の傾斜,交差咬合による下顎骨変形や頤側方偏位,口呼吸を伴う開咬などの関係も実証されている。骨格性の下顎前突症,上顎前突症,顔面非対称症,開口症などがある。
□骨格性下顎前突者では,側貌で中顔面が陥凹し,下顎骨体部が前後的に長く,頤部が突出している。下顎前歯の舌側傾斜,上顎前歯部の叢生を伴うことが多い。
□顔面非対称を伴う患者では,頤が偏位している側に交差咬合がみられ,上下正中線も同様に偏位している。
□前歯部開口者の特徴は,上下前歯が低位で咬合接触がなく,下顎咬合平面の前後弯曲が逆となり,小臼歯と犬歯部にステップがある。顔貌は長顔となり,笑うとガミーバイトとなる。
□頭部X線規格写真を撮りセファロ分析を行う(図1)。下顎前突症では頭蓋底角の減少,gonial angleおよびmandibular angleの開大,下顔面高の増大がある。上顎前突症では顔面角やSN-Pog角およびSNB角の減少,ANB角の増大がみられる。
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