□乳児期後半から幼児期早期にみられ,自然軽快する予後良好な疾患である。
□ヒトヘルペスウイルス6型(human herpes virus-6:HHV-6),7型(human herpes virus-7:HHV-7)が原因病原体である。
□上気道症状を伴わない高熱が特徴的である。
□熱性けいれん,急性脳症との関連が知られている。
□突発性発疹(exanthema subitum)は発熱で始まり,解熱後に発疹を生じる症候群である。
□HHV-6,HHV-7が原因病原体である。
□潜伏期は約10日(5~15日)である。
□HHV-6の初感染では不顕性感染も存在し,欧米では半数未満,わが国では約80%が突発性発疹の臨床症状を呈する。
□HHV-6は2歳まで,HHV-7は3歳までに初感染をすることが多く,患児の95%が3歳未満である。
□わが国では90%以上の成人が抗体を保有している。母体由来の移行抗体は生後6カ月以内に消失する。その後,母親を中心とした成人からの水平感染により,多くが生後6カ月頃から2歳までに初感染を受ける。HHV-7はHHV-6よりも遅れて感染する傾向があるため,HHV-7による突発性発疹は,臨床的に2度目の突発性発疹として経験される。
□原則として,季節流行性はない疾患である。
□発熱で発症し,38~40℃の発熱がHHV-6では3~4日,HHV-7では1~2日持続する。この間は高熱にもかかわらず比較的機嫌が良いことが知られており,鼻汁や咳嗽などの上気道症状はない。解熱後数時間~24時間で発疹が出現し,発疹は胸部,腹部を中心とした斑丘疹で,四肢には少ない。そう痒感は伴わない。発疹は癒合し2~3日で消失する。
□診察所見では,咽頭所見として永山斑(病初期に口蓋垂の根元の両側に認められる粟粒大の紅色隆起)が有名であるが,頻度は40%程度と高くない1)。また,大泉門膨隆を伴うことがある。
□基本的には臨床診断である。
□血液検査:白血球数は発疹出現時期には低下し,相対的なリンパ球の増加が認められる。
□ウイルス分離,血清診断,PCR法によるDNAの検出などが可能であるが,保険適用外である。
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