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Q&Aで徹底解説 現代社会の新しい依存症がわかる本 物質依存から行動嗜癖まで【電子版付き】

従来型の物質依存から、世界的に認知が広がりつつある行動嗜癖まで、社会問題となっている新時代の依存症を徹底解説する唯一無二の1冊

定価:4,400円
(本体4,000円+税)

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編著: 樋口 進(独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長)
判型: A5判
頁数: 256頁
装丁: 2色刷
発行日: 2018年10月20日
ISBN: 978-4-7849-4793-5
版数: 第1版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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食べ物依存、性依存、仕事依存、運動依存……これも全部依存症⁉
話題のギャンブル依存、ゲーム依存だけじゃない!
現代社会で問題化しつつある“新時代”の依存症(依存・嗜癖)を専門家がQ&Aで徹底解説

■近年、世界的に社会問題となっている依存症。アルコール依存や薬物依存など従来型の物質依存に加え、2018年にはWHOが「ギャンブル障害」「ゲーム障害」を国際疾病分類に収載するなど、その枠組みが拡大しつつあります。

■本書は依存症の専門機関として知られる久里浜医療センターの樋口進院長全面編集の下、国内の依存症治療の第一人者が結集し、現代社会で治療対象となり得る依存症について、その病態から診断、治療、フォローアップまでQ&A形式で徹底解説しました。

■まだ正式な疾病としては認められていない新時代の依存症(行動嗜癖)についても、専門家の臨床経験を基に最新情報を収載。次代を先取りした依存症の全体像がこの1冊でわかります。

※検索にも便利な電子版付き。スマホやタブレット、PCでいつでもどこでも書籍の内容をご覧いただけます。

Part1 依存症の基礎知識(樋口 進)
Part2 アルコール依存(松下幸生)
Part3 薬物依存(成瀬暢也)
Part4 ニコチン依存(中村正和)
Part5 ギャンブル依存(河本泰信)
Part6 ネット依存(中山秀紀)
Part7 食べ物依存(沼田真一)
Part8 性依存(原田隆之)
Part9 買い物依存(大石雅之)
Part10 仕事依存(遠山朋海)
Part11 運動依存(松崎尊信)
Part12 窃盗癖(竹村道夫)
Part13 自傷癖(松本俊彦)

診療科: 精神科 精神科

目次

part1 依存症の基礎知識
樋口 進 独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター 院長
Q1 依存症とはどんな病態ですか?
Q2「 行動嗜癖」とは?
Q3「 依存」が起こる原因は?
Q4 なぜ今,依存症が問題なのでしょうか?
Q5 依存症患者への対応のポイントと注意点は?
Q6 依存症はどのように診断するのですか?
Q7 依存症の治療にはどんな方法があるのでしょうか?
Q8 依存症治療における「回復」とは?
Q9 依存症の治療はどんな施設で行うべきですか? 
Q10 患者のサポート体制は?
Q11 家族に対する対応のポイントは?

part2 アルコール依存
松下幸生 独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター 副院長
Q1 アルコール依存とはどんな病態ですか?
Q2 アルコール依存はなぜ起こるのでしょうか?
Q3 アルコール依存患者の背景にはどんな原因がありますか?
Q4 アルコール依存の何が問題なのでしょうか?
Q5 受診に結びつけるための対策は?
Q6 診断のポイントは?
Q7 治療はどのように進めますか?
Q8 治療中に気をつけなければならないことは?
Q9 専門医への紹介のタイミングと方法は?
Q10 専門施設はどうやって探しますか?
Q11 専門施設ではどんな治療を行っているのですか?
Q12 治療後のフォローアップについて教えてください。
Q13 家族への支援はどのように行いますか?

part3 薬物依存
成瀬暢也 埼玉県立精神医療センター 副病院長
Q1 薬物依存とはどんな病態ですか?
Q2 薬物依存はなぜ起こるのでしょうか?
Q3 依存する薬物にはどのようなものがありますか?
Q4 薬物依存の何が問題なのでしょうか?
Q5 薬物依存患者は増えているのでしょうか?
Q6 患者の年齢分布は?
Q7 受診に結びつけるための対策は?
Q8 診断のポイントは?
Q9 検査で違法薬物の使用がわかった場合,どんな対応が必要ですか?
Q10 治療はどのように進めますか?
Q11 治療中に気をつけなければならないことは?
Q12 専門医への紹介のタイミングと方法は?
Q13 専門施設はどうやって探せばいいでしょうか?
Q14 専門施設ではどんな治療を行っているのですか?
Q15 治療後のフォローアップについて教えてください。
Q16 家族への支援はどのように行いますか?

part4 ニコチン依存
中村正和 公益社団法人地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター センター長
Q1 ニコチン依存とはどんな病態ですか?
Q2 ニコチン依存はなぜ起こるのでしょうか?
Q3 ニコチン依存患者の背景にはどんな原因がありますか?
Q4 ニコチン依存の何が問題なのでしょうか?
Q5 禁煙外来の受診に結びつけるための対策は?
Q6 診断のポイントは?
Q7 禁煙外来ではどのような治療を行っているのですか?
Q8 禁煙外来はどの程度の効果がありますか?
Q9 治療中に気をつけなければならないことは?
Q10 外来治療薬にはどんなものがありますか?
Q11 電子たばこなどの新型たばこは禁煙に効果がありますか?
Q12 禁煙外来はどうやって探せばいいでしょうか?
Q13 禁煙外来で健康保険が適用されるための条件は?
Q14 禁煙外来を開設するにはどうしたらいいですか?
Q15 治療後のフォローアップについて教えてください。

part5 ギャンブル依存
河本泰信  医療法人社団正心会よしの病院 副院長/公立諏訪東京理科大学地域連携研究開発機構 客員教授
Q1 ギャンブル依存とはどんな病態ですか?
Q2 ギャンブル依存はなぜ起こるのでしょうか? 
Q3 ギャンブル依存の患者にはどんな背景がありますか?
Q4 ギャンブル依存の何が問題なのでしょうか?
Q5 国内外ではどれくらいの患者がいるのでしょうか?
Q6 受診に結びつけるための対策は?
Q7 診断のポイントは?
Q8 治療はどのように進めますか?
Q9 治療中に気をつけなければならないことは?
Q10 治療の完了はどうやって判断するのでしょうか?
Q11 専門医への紹介のタイミングと方法は?
Q12 専門施設ではどのような治療を行うのですか?
Q13 医療以外にはどんなサポートが必要でしょうか?
Q14 治療後のフォローアップについて教えてください。

part6 ネット依存
中山秀紀 独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター 精神科医長
樋口 進
Q1 ネット依存とはどんな病態ですか?
Q2 ネット依存はなぜ起こるのでしょうか?
Q3 ネット依存患者にはどんな背景がありますか?
Q4 国内外ではどのくらいの患者がいるのでしょうか?
Q5 患者の年齢分布は?
Q6 受診に結びつけるための対策は?
Q7 診断のポイントは?
Q8 治療はどのように進めますか?
Q9 治療中に気をつけなければならないことは?
Q10 専門医への紹介のタイミングと方法は?
Q11 専門施設ではどのような治療を行うのですか?
Q12 治療後のフォローアップについて教えてください。
Q13 家族の対応はどのように行いますか?

part7 食べ物依存
沼田真一 医療法人綾の会川崎沼田クリニック 院長
Q1 食べ物の依存とはどんな病態ですか?
Q2 食べ物への依存はなぜ起こるのでしょうか?
Q3 食べ物への依存の何が問題なのでしょうか?
Q4 どんな食べ物への依存が考えられますか?
Q5 依存状態となる患者にはどんな背景がありますか?
Q6 国内外ではどれくらいの患者がいるのでしょうか?
Q7 患者の年齢分布は?
Q8 受診に結びつけるための対策は?
Q9 診断のポイントは?
Q10 治療はどのように進めますか?
Q11 治療中に気をつけなければならないことは?
Q12 拒食と過食を繰り返す患者さんへの対応はどうすればいいでしょうか?
Q13 専門施設の探し方や紹介の方法も含めて,専門医療について教えてください。

part8 性依存
原田隆之 筑波大学 人間系 教授
Q1 性依存とはどんな病態ですか?
Q2 性依存が起こる背景にはどんな原因が考えられますか?
Q3 性依存の何が問題なのでしょうか?
Q4 国内外ではどれくらいの患者がいるのでしょうか?
Q5 患者の年齢分布は?
Q6 性犯罪との関連はあるのでしょうか?
Q7 受診に結びつけるための対策は?
Q8 診断のポイントは?
Q9 治療はどのように進めますか?
Q10 治療中に気をつけなければならないことは?
Q11 専門施設の探し方や紹介の方法も含めて,専門医療について教えてください。

part9 買い物依存
大石雅之 大石クリニック 院長
Q1 買い物依存とはどんな病態ですか?
Q2 買い物依存が起こる背景にはどんな原因が考えられますか?
Q3 買い物依存の何が問題なのでしょうか?
Q4 国内外ではどれくらいの患者がいるのでしょうか?
Q5 患者の年齢分布は?
Q6 受診に結びつけるための対策は?
Q7 診断のポイントは?
Q8 治療はどのように進めますか?
Q9 治療中に気をつけなければならないことは?
Q10 専門施設の探し方や紹介の方法も含めて,専門医療について教えてください。

part10 仕事依存
遠山朋海 独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター 精神科
Q1 仕事依存とはどんな病態ですか?
Q2 仕事依存が起こる背景にはどんな原因が考えられますか?
Q3 仕事依存の何が問題なのでしょうか?
Q4 国内外ではどれくらいの患者がいるのでしょうか?
Q5 患者の年齢分布は?
Q6「 ブラック企業」との見分け方はありますか?
Q7 受診に結びつけるための対策は?
Q8 診断のポイントは?
Q9 治療はどのように進めますか?
Q10 治療中に気をつけなければならないことは?
Q11 専門施設の探し方や紹介の方法も含めて,専門医療について教えてください。

part11 運動依存
松﨑尊信 独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター 精神科医長
Q1 運動依存とはどんな病態ですか?
Q2 運動依存が起こる背景にはどんな原因が考えられますか?
Q3 運動依存の何が問題なのでしょうか?
Q4 国内外ではどれくらいの患者がいるのでしょうか?
Q5 患者の年齢分布は?
Q6 アスリートではない一般人にも起こりうる病態なのでしょうか?
Q7 受診に結びつけるための対策は?
Q8 診断のポイントは?
Q9 治療はどのように進めますか?
Q10 治療中に気をつけなければならないことは?
Q11 専門施設の探し方や紹介の方法も含めて,専門医療について教えてください。

part12 窃盗症
竹村道夫 赤城高原ホスピタル 院長
Q1 窃盗症とはどんな病態ですか?
Q2 窃盗症が起こる背景にはどんな原因が考えられますか?
Q3 国内外ではどれくらいの患者がいるのでしょうか?
Q4 患者の年齢分布は?
Q5 認知症や精神疾患との関連はありますか?
Q6 受診に結びつけるための対策は?
Q7 診断のポイントは?
Q8 一般医療施設では,治療はどのように進めますか?
Q9 一般医療施設で治療中に気をつけなければならないことは?
Q10 専門医への紹介のタイミングと方法は?
Q11 専門施設ではどんな治療を行っているのですか?
Q12 医療以外にどんなサポートが必要でしょうか?
Q13 フォローアップの基本方針と治療の終結について教えてください。

part13 自傷癖
松本俊彦  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部 部長
Q1 自傷癖とはどんな病態ですか?
Q2 自傷への依存が起こる背景にはどんな原因が考えられますか?
Q3 国内外ではどれくらいの患者がいるのでしょうか?
Q4 患者の年齢分布は?
Q5 受診に結びつけるための対策は?
Q6 診断のポイントは?
Q7 治療はどのように進めますか?
Q8 治療中に気をつけなければならないことは?
Q9 専門施設の探し方や紹介の方法も含めて,専門医療について教えてください。
Q10 治療後のフォローアップについて教えてください。

COLUMN
・変わり種の依存症(株依存、放火癖、抜毛癖・皮膚むしり癖) 樋口 進
・依存症医療における言葉の使い方  真栄里仁(独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター 教育情報部長)
・アルコール・薬物・ニコチン依存等の物質使用障害同志の複合 真栄里仁
・アルコール・薬物・ニコチン依存と精神疾患の合併 真栄里仁
・ネット依存とギャンブル依存との複合的な事例 河本泰信
・こんな人は依存症になりやすい 真栄里仁
・心に残る症例:入退院を繰り返したアルコール依存患者 真栄里仁
・心に残る症例:「やめ方を教えろ」と訴えた覚せい剤依存患者 松本俊彦
・心に残る症例:怖い症状に怯えてもやめられなかった危険ドラッグ依存患者 成瀬暢也
・心に残る症例:万引を繰り返した4人の窃盗症患者 竹村道夫

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序文

巻頭言

最近、依存がにわかに注目されるようになりました。より正確に言えば、依存にまつわる健康、家族、社会問題の大きさが改めて認識されたのかもしれません。これにはいくつかの要因が関係しています。

まず、依存に関係する法整備です。アルコール健康障害対策基本法が2013年に制定されました。2018年には、カジノ合法化を踏まえ、ギャンブル等依存症対策基本法が成立しました。

また、目を世界に向けると、依存分野の拡大が起きています。従来、依存あるいは依存症は、対象が物質に限られていました。しかし、米国精神医学会によるDSM-5ではギャンブル障害の名のもとに、ギャンブルが初めて依存に分類されました。同様に2018年6月に世界保健機関から発表されたICD-11の最終版でも、ギャンブル障害が依存に分類されています。一方、世界的なインターネット利用の急速な拡大とともに、インターネット依存が急増しています。これを反映して、既述のICD-11にゲーム障害が新設・収載されました。

本書は、これらの状況を踏まえ、多くの依存を分かりやすく解説することに心がけました。そのために、それぞれの項目を「Q&A」方式でまとめています。実は既述のとおり、世界的に認められている依存は、物質、ギャンブル、ゲームだけです。しかし、本書は次代を先取りし、未だ依存には分類されていないが、その臨床的特徴から依存に類似している疾患・状態も合わせて解説しました。この中には、将来依存に分類されるものもあると思います。

また、本書では、すべての項目に依存という名称を使っています。一般に物質には依存、行動には嗜癖という用語が使われます。本書では、読者のわかり安さを優先して、すべての項目を依存という用語でまとめ上げました。項目によっては、誤った使い方になっていますが、ご了承ください。

最後になりましたが、本書の執筆に協力いただきました先生方に心よりお礼申し上げます。初めて取り上げるような新しい依存も本書には収載されています。既存のエビデンスも不十分な中で、臨床経験等を基にまとめ上げていただきました。ありがとうございました。

次代を先取りした本書が、多くの方々の依存とその類似疾患の理解、予防、治療等に少しでも役立つことができれば幸甚です。

平成30年8月吉日

独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター
樋口 進

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