著: | 川崎 淳一(日本経営ヘルスケア事業部) |
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著: | 坂本 浩幸(日本経営ヘルスケア事業部) |
著: | 井上 俊孝(日本経営ヘルスケア事業部) |
著: | 土橋 洋之(日本経営ヘルスケア事業部) |
判型: | A5判 |
頁数: | 164頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2020年01月09日 |
ISBN: | 978-4-7849-5741-5 |
版数: | 第1版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
はじめに
30~40年にごとに行われる建替えは,病院にとって最大級の意思決定の機会の一つです。しかし,建替えスパンが長いだけに病院建替えの経験があるスタッフが院内に在籍していることはまれです。そのため毎回手探り状態で試行錯誤した結果,達成困難なレベルの計画ができてしまい後戻りできなくなるケースが少なくありません。
特に多い失敗は,何の制約もポリシーなく各スタッフの要望だけをすべて盛り込んだ設計図面を作成し,それを建築しようするケースです。
弊社の専門チームが全国の病院の建替えのお手伝いをするようになって10年以上が経過しますが,かつての病院建替えは老朽化に伴い現病院と同規模もしくは少し拡大するようなプランがほとんどでした。しかし最近では,地域医療構想などの流れのなかで経営戦略を変更するケースや,2025年以降の地域状況を見据えた診療機能や規模の見直しなどを行うケースが主流になってきています。そのため単独での病院建替えだけでなく複数の病院の統合や再編,分割といった大きな組織変更も視野に入れた建替えも増えてきています。
病院の建替えに限らずどんな取り組みでも,企画の最初の段階で詳細に検討することが最も重要であり,ここで失敗するとその後すべての事項に影響を及ぼします。病院の建替えも同様で,建物の設計よりも,最初の「基本構想」「基本計画」が全体の計画に大きく影響します。ここで失敗をすると,取り返しがつきません。そのため,どんな複雑な条件でも多くの関係者と調整をしながら作業を進める必要があります。
本書は,この「基本構想」「基本計画」はどのように立案し検討をしていくべきか,どんなビジョンを持つべきかなどを詳しく解説します。これから建替えを行う病院にとって参考となるようなポイントと,具体的な事例を踏まえた対応などもご紹介します。
本書を手にとられた方の,病院経営と建替え戦略が理想どおりに進むことを祈念いたします。
2020年1月
株式会社日本経営ヘルスケア事業部 川崎淳一
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。