編著: | 遠藤健司(東京医科大学整形外科 准教授) |
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編著: | 三原久範(横浜南共済病院 副院長) |
判型: | AB判 |
頁数: | 192頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2023年07月23日 |
ISBN: | 978-4-7849-5789-7 |
版数: | 第1版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
編者の2人は, 日本脊椎脊髄病学会のアジアトラベリング・フェローシップで一緒にタイ, ベトナムへ行ったのが縁で知り合い,2週間の研修中, 夢中で脊椎のことばかり話し合っていたことが思い出されます。当時,腰椎に関する書籍は多かったのですが,頚椎に関するものはほとんどありませんでした。頚椎は,脊椎の中でも一番可動域が大きく脳に近いことから,特有の疾患,病態が存在します。そのため,頚椎に特化した脊椎専門書が必要だろうとの想いから「頚椎診療のてびき」(丸善出版)を2012年に共著で出版しました。本の出版から10年が過ぎ,疾患概念,治療法に大きな進歩があり,最新の知見を盛り込んだ教科書が必要であろうと考えました。本書では特に,「解剖から理解する」と題しまして,代表的頚椎疾患の病態や治療を,今の時代に合わせた形でまとめました。私どもの出発点は,当然とされている定説に疑問を投げかけ,そこから新たな知見を得ようともがく臨床医です。当たり障りのない事実の列挙に終始するのではなく,新しい視点から見た臨床経験や独善的な理論の展開を試みている箇所もあります。必ずしもevidence based medicine(EBM)に則らず,著者のimpressionに傾倒した内容も含まれていることをご容赦下さい。
また,本書のカバーにはキリンのイラストを採用させていただきました。キリンの首はとても長いのですが, 頚椎はヒトと同じ7つで構成されています。可動域が大きく,キリンの様々な動きの可能性を作り出しています。首自体を持ち上げるのも大変だと思うのですが,キリンが首下がりとなったらさらに大変です。キリンの首の話を日本医事新報社の横尾直享氏に話したところとても興味を持って頂いたことから取り入れてもらいました。
本書に触れることで,一人でも多くの読者に頚椎疾患の研究や治療の奥深さに興味を持って頂き,この分野により深く足を踏み入れてもらえればこの上ない喜びです。どうか一緒になって頚椎疾患に挑み,発展させていきましょう。一人でも多くの患者さんの幸せのために。