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こどもの難聴診療マニュアル

ライフステージに応じた難聴児の支援について実践的にまとめた1冊

定価:5,500円
(本体5,000円+税)

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編著: 福島邦博(医療法人さくら会早島クリニック耳鼻咽喉科皮膚科 理事長・院長)
編著: 神田幸彦(医療法人萌悠会耳鼻咽喉科神田E・N・T医院 理事長・院長)
判型: A5判
頁数: 280頁
装丁: 2色部分カラー
発行日: 2024年03月13日
ISBN: 978-4-7849-2477-6
版数: 第1版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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実臨床での考え方がわかる,難聴早期発見と切れ目ない支援のための1冊

●第1章では,難聴の早期発見とその後の診断・補聴器の装用と早期療育の状況について,第2章では,学齢期における継続的な支援などについて言語発達や学齢期に問題になることの多い重複障害の問題などを含めて初学者にもわかりやすく解説しました。
●最新のエビデンス紹介を基本に,実臨床の場での知見も取り入れています。
●小児難聴の診療に必要な幅広い知識を,実臨床に即した形でまとめました。
●医師,言語聴覚士,特別支援学校教員をはじめ,難聴児の支援に携わるすべての専門家に役立つ1冊です。

目次

Introduction 小児難聴の総論
1 基本となる知識  福島邦博
column 1 小児医療における考え方  守本倫子
column 2 厚生労働省・文部科学省による「難聴児の早期発見・早期療育推進のための基本方針」について  中川尚志

第1章 乳児期の難聴・幼児期の難聴
1 新生児聴覚スクリーニングの実際  菅谷明子
2 精密聴力検査(他覚的聴力検査,幼児聴力検査)  南修司郎
3 先天性サイトメガロウイルス感染症の病態・検査・治療  森内浩幸,森内昌子,神田幸彦,佐藤智生
4 遺伝性難聴の病態と検査  野口佳裕
column 1 遺伝学的検査  宇佐美真一
5 小児難聴の画像診断  内藤 泰
6 乳児期の難聴児に対する補聴器フィッティング  富澤晃文,城間将江
7 乳児期難聴児への介入に必要なポイント  北 義子
column 2 きこえの多様性  中澤 操
8 新しい人工聴覚器と補聴器と適応  古賀 涼,神田幸彦
9 人工内耳の適応選択とその後の対応  岩崎 聡
10 幼児期における難聴児の療育  近藤美紀,神田幸彦
column 3 「難聴のお子さんと保護者のための難聴児療育のロードマップ~特に人工内耳に関連して~」  神田幸彦,髙橋晴雄,宇佐美真一
11 人工内耳前後の療育:小児人工内耳装用前後のガイドラインについて  神田幸彦,髙橋晴雄,伊藤真人
12 急性中耳炎,滲出性中耳炎(非外科的治療)  伊藤真人

第2章 学齢期の難聴
1 学齢期における先天性伝音難聴の外科的治療  白馬伸洋
2 難聴児の言語発達:学齢期の支援について  藤吉昭江
column 1 難聴児にとっての手話言語  武居 渡
3 症候群性難聴の診断と合併する全身症状  吉村豪兼
column 2 聴覚情報処理障害(聞き取り困難症)  阪本浩一
column 3 心因性難聴・機能性難聴  片岡祐子
4 環境調整指導のポイント  菅谷明子
column 4 聴覚過敏  佐藤吏江
5 神経発達症(発達障害)の合併した聴覚障害  福島邦博
6 保護者支援のあり方(保護者とのQ&A)  麻生 伸
column 5 セルフアドボカシー  國末和也
7 福祉制度の概要  石川浩太郎
8 専門職連携教育(IPE)と多職種協働(IPW)  福島邦博
column 6 難聴児の支援に関する調査研究(令和2~4年度)  大瀬千紗,東海林崇

索引

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序文

 本書『こどもの難聴診療マニュアル』は,こどもの難聴の診療に携わる医師の方々に向けたマニュアルです。こどもの難聴の診療には,医学の中だけでなく多様な分野が関わっています。
 先天性難聴の病態理解には分子生物学的な説明が行われています。診断には電気生理学的な手段が多用されますが,その正確な評価のためには聴覚心理と,さらに発達の知識が必要です。介入方法として行われる補聴器には音響工学と聴覚医学が,そして人工内耳には神経耳科学の知識と技術が要求されます。その後のこどもたちの健やかな成長を見守るためには,言語学や教育心理の知識が必要ですし,そうしたものを内包しつつ長いビジョンでの支援を考えるためには福祉や行政についての知識と連携の実践が必要になります。
 本書は,小児難聴診療に関して,基礎・診断・治療,さらに社会的な介入までを含めた包括的かつ実践的な情報を提供することを目指しています。特にライフステージに応じた難聴児の支援を考えるために,2部構成としました。第1章は,早期発見と早期療育の必要性を中心に,その後の診断・補聴器の装用と療育の状況について説明することを目標にして論じています。第2章は,就学後,あるいはそのさらに後まで継続的な支援を中心に議論し,学齢期における支援内容を中心に言語発達や重複障害の問題について初学者にもわかりやすいように説明しています。
 また,本書は,最新のエビデンスを紹介することを基本に置きつつ,実臨床の場での経験による知見を取り入れて,読者の皆様がより効果的な診療を行えるよう支援することを目的としています。
本書が,小児難聴の診療の現場で役立つことを,そして結果として一人でも多くのこどもたちの力になれることを,心から願っています。

 本書の執筆にあたり,専門的な知識や貴重な経験を提供してくださった,執筆者の先生方に心から感謝いたします。また,本書の出版にあたり,ご尽力いただいた日本医事新報社の皆様にも深く感謝申し上げます。本書の内容にある多くの知識や経験は,患者さんや,そのご家族から教え,諭され,励まされたものも多々あることと思います。こうしたすべての皆様に改めて感謝の意を表したいと思います。

2024年2月

医療法人さくら会 早島クリニック耳鼻咽喉科皮膚科 理事長・院長
福島邦博

医療法人萌悠会 耳鼻咽喉科 神田E・N・T医院 理事長・院長
神田幸彦

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