監修: | 波多野悦朗(京都大学肝胆膵・移植外科/小児外科 教授) |
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編集: | 伊達洋至(京都大学呼吸器外科 教授) |
判型: | B5判 |
頁数: | 160頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2024年05月27日 |
ISBN: | 978-4-7849-1348-0 |
版数: | 第1版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
肝胆膵,下部消化管に続き,若手医師にとって最高の呼吸器のベーシック手術スキル本ができました!
・京都大学および関連病院で活躍中の先生方による,外科レジデントにマスターして欲しい重要な解剖,画像,器具,基本的な手術術式,術後管理についての解説がコンパクトにまとまっています。
・先輩医師の情熱やこだわりの詰まった解説と手技動画で学べば,手術の理解が格段にアップすること間違いなし!
1章 肺
1 肺切除手術に必要な基本的な解剖・検査・画像診断
2 肺切除手術における器具と使い方
3 肺楔状切除術(気胸,胸腔鏡)
4 肺楔状切除術(腫瘍,胸腔鏡)
5 右上葉切除術と上縦隔リンパ節郭清(胸腔鏡)
6 中葉切除術(胸腔鏡)
7 右下葉切除術と気管分岐部リンパ節郭清(胸腔鏡)
8 左上葉切除術と上縦隔リンパ節郭清(胸腔鏡)
9 左下葉切除術と気管分岐部リンパ節郭清(胸腔鏡)
10 右S6区域切除術(胸腔鏡)
11 左舌区切除術(胸腔鏡)
12 胸壁合併切除術(開胸)
2章 縦隔
13 縦隔手術に必要な基本的な解剖・検査・画像診断
14 胸腺摘出術(胸腔鏡+開胸)
15 後縦隔腫瘍摘出術(胸腔鏡)
3章 術後管理
16 呼吸器外科の術後管理
呼吸器外科手術の特徴は,肺動脈などの血流が豊富な血管と気道を切離する必要があることです。血管操作を誤ると大出血につながりますし,気道系に破綻をきたすと膿胸や呼吸不全を引き起こしてしまいます。若手医師が安全に呼吸器外科手術を行うためには,解剖を熟知した上で,安全な手術戦略をとることが重要です。そして,起こりうる合併症に関する知識も欠かすことはできません。今日の呼吸器外科手術の大部分は胸腔鏡を使った低侵襲手術となっています。しかしながら,進行した肺癌や胸腺腫に対する開胸術も身につけておくべき手術手技です。
本書は,これから呼吸器外科専門医を取得しようとする若手医師を主な対象として構成されており,重要な解剖,画像,器具,基本的な手術術式,そして術後管理まで掲載されています。手術手技の項目では,専門医を取得するまでにぜひ経験してもらいたい基本的な術式を選択しました。呼吸器外科で日常行われている手術の大部分は網羅していると思います。若手の先生方には,ぜひ当該手術を行う前に本書を使って予習して手術に臨んで頂き,手術の後に,もう一度読み返して頂きたいと思います。
執筆は,京都大学および関連病院で豊富な手術経験と指導経験を有し,第一線で活躍中の先生方にお願いしました。イラストや写真,動画を多く取り入れて,わかりやすい解説を加えていただきました。さらに,「大切なこと」「若手医師の間に身につけておいてほしいこと」「よくある質問Q&A」が随所に掲載されています。これらには,豊富な経験を持つ先生方ならではの重要点が示されています。
本書が,若手医師の皆さんの手術習得に役立つ一冊となることを期待しております。
2024年5月
京都大学呼吸器外科 教授
伊達洋至