慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)と肺癌は,加齢に伴い有病率が上昇するため,高齢化の進むわが国ではその対策が喫緊の課題である。COPDと肺癌には共通の危険因子があり,また,COPDが肺癌の独立した危険因子であるという強固な関連性が示されていた。
『COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2022〔第6版〕』において,COPDと肺癌の関係に関する記述は第5版から大きな変更はなかった。しかしながら,海外のみならず,わが国の研究でも,COPD患者の死因として肺癌が16〜21%と多くを占めることや,COPD患者は,肺癌の年発症率が1.85〜2.3%と高いことが追記された1)。この追記事項は人種や国を超えて,わが国でもこれら2疾患が強く関連していることを強調している。
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