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【肺癌診療ガイドライン】ドライバー遺伝子変異陰性非小細胞肺癌のPD-L1発現ごとの治療法[ガイドライン・インフォメーション]

池田 慧 (神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科)

登録日: 2024-06-14

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  • 2023年版の肺癌診療ガイドラインにおいて,ドライバー遺伝子変異陰性非小細胞肺癌に関する主な変更点は,①POSEIDON試験の追加,②JCOG2007/NIPPON試験の安全性情報の解説文への追記,③CQ再投票・推奨度変更,の3点である。

    POSEIDON試験は,EGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子を有さないPS0-1のⅣ期非小細胞肺癌患者を対象とした第3相試験である。PD-L1阻害薬デュルバルマブ+CTLA-4阻害薬トレメリムマブ+化学療法群は,化学療法群に対して,全生存期間をハザード比0.77(95%CI:0.65〜0.92,中央値:14.0カ月vs. 11.7カ月),無増悪生存期間をハザード比0.72(95%CI:0.60〜0.86,中央値:6.2カ月vs. 4.8カ月)と有意に延長した1)。この結果を受けて,2022年12月23日にトレメリムマブがわが国における製造販売承認を取得し,2023年3月15日に薬価収載されたことで,使用可能な新たな治療選択肢となった。2023年版ガイドラインにこの結果を組み込むにあたって,既にわが国で投与可能であった。しかし,後述のJCOG2007/NIPPON試験の結果から,安全性への懸念が示されたPD-1阻害薬ニボルマブ+CTLA-4阻害薬イピリムマブ+化学療法の併用療法(CheckMate-9LAレジメン)と,比較的毒性が弱い可能性が試験結果から示唆されたPOSEIDONレジメンをまとめて記載するか,もしくは,わけて記載するかに関して,ガイドライン委員の中でも様々な意見が出た。しかし,多数決協議の結果,レジメンをわけずに推奨度の投票を行う方針となった。

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