ワクチンには,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)の増悪および肺炎の発症を抑えることが期待され,COPDの安定期管理において,早期から行うべき非薬物治療のひとつである。
『COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2022〔第6版〕』では,インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンが解説され,以下の3点が示されている。
①インフルエンザワクチンは,COPDの増悪頻度と死亡率を低下させる。②肺炎球菌ワクチンには,価数と結合蛋白の有無により,PPSV23,PCV13がある。PPSV23は,COPD患者の肺炎および増悪を減少させ,PCV13は,COPD患者を含む65歳以上の高齢者の市中肺炎の発症を抑制する。③インフルエンザワクチンおよび肺炎球菌ワクチンの併用により,インフルエンザワクチン単独と比較して,COPDの感染性増悪の頻度が低下する1)。
残り544文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する